第2話 好感度支配アプリのダウンロード

 家から帰宅してから、ベッドに寝転がる。

 今日も疲れた。


 勉強する気にもなれないし、持っている漫画も飽きた。

 何しようかな。


「……そうだ、あのアプリ……」


 確か好感度支配アプリとかいうやつ。

 あまりにも怪しいが、逆にあれだけ怪しいと気になってしまったのだ。


「基本無料で、アプリ内課金あります、か……」


 いつものパターンだな。

 まあ、課金する時は注意書きがあるだろうし、大丈夫か。

 基本無料だしな。


「よし」


 意を決してダウンロードする。

 そこまで時間はかからずにダウンロードできたので起動してみるが、


「……なんか、やたら広告多いな……」


 広告CMが流れてきて面倒臭い。

 そういえば、レビューにもそんなこと書いてあったか。


 二連続で広告CMが流れてようやく終えると、説明が入る。


「『このアプリは対象の人間を写真で撮って好感度を上げ下げすることができます。好きな人の好感度を上げて付き合ったり、嫌いな人の好感度を下げてあなたから遠ざけることができます。ゲームでの結果は現実にも反映されます』……か。胡散臭いな」


 どうやって好感度を上げ下げするかというと、よく分からない。

 まずは対象の写真を撮らないといけないらしい。


「写真か……。そんなの必要なら撮っておけば良かったな……」


 集合写真ならあるけど、それでよくないか?

 そう思って、机の中から集合写真を取り出す。


「別にそんな興味ある訳じゃないけど……」


 淡島瑞樹が映っている場所をアプリのカメラで撮る。

 拡大したけど、五人は映ってしまった。


 するとアプリの場面が変わって、五人の人物の名前を書いてくださいと表示された。


「名前、か……」


 本名書くの怖いな。

 アプリから情報を吸われて、何かしらの悪行に使われそうだ。


 だけど、まあ、そんなことしていたら、警察に捕まるか。

 こんなアプリすぐに潰されるだろう。


 俺は五人の本名を書く。

 すると、


『好感度を上下させたい人間を選んでください』


 とアプリで表示された。

 俺が適当な男子をタップすると、その人物が画面に出てくる。

 棒人間みたいなものに、顔写真が雑コラされたようなものがでてきて、左横にいくつかの項目が並んでいた。


『会話』

『道具』

『お出かけに誘う』

『他の機能は課金すると使えます』


 とか書かれていて、右横にはパラメーターみたいなのがあった。


「好感度……20%で。ただのクラスメイト、か」


 長方形のゲージがある。

 それが二割のところで止まっていて、これが好感度30%っていうことか。

 全てで100%あるみたいだ。


 それから俺達の関係性を現わすものがあって『ただのクラスメイト』と書かれていた。

 やっぱり、最初だから好感度は低く設定されているのかな。

 後、気になったのが一つ、


「『他の機能は課金すると使えます』ってやつ、なんだ?」


 タップすると、課金を促してくる。

 中身が何か分からない。

 こんなの流石に課金する気にはならないだろ。


「これが課金要素か。ガチャもあったよな」


 ガチャ画面に行くと、何やらセールっぽいのをやっているみたいだ。

 その文字を読んで俺はゾッとした。


「『拷問道具ピックアップ』……?」


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