異世界転移した俺は無能らしいのでハーレム隠居生活します。
カワサキレン
俺はどうやら無能らしい
気づいたら異世界にいた。
それだけの事だ。
それだけの…
…
…
なんでだ?
俺はさっきまで勉強机に体を預けながらだらだらとしていたはずだ。
なのに今は、ベッドで仰向けになって寝ている。
「ソーヤ様、お目覚めになりましたか?」
ソーヤ?誰の事だろうか
そして話しかけてきたこの人は…
「寝ぼけていらっしゃるのですか?」
完全にこちらの方を向いていらっしゃる。
これは完全に俺に言ってるなぁ
「すいません、昨晩良く寝れなくて。」
とりあえず返しておく。
それにしてもこの人はメイドだろうか?
それにしても同い年か、少し上の年齢に見える。
肌は褐色に近い黒で耳が尖っている。
髪は胸くらいまであり、ドストレートだ。
これはダークエルフというやつなのだろうか。
「ソーヤ様、研究熱心なのは良いことですが体調にも気を付けてください。」
「あはは…ごめん…」
俺が申し訳無さそうにすると、彼女は
「お顔を洗い食事の準備をしてください。
本日は15歳記念日として、ソーヤ様のスキルを決める日でございますので。」
「あ、あぁ。そうだった。先に行っててください。」
スキル?なんだそれは
ただやはりここは…異世界のようだ。
それから3時間ほど経っただろうか。
何となくだがわかってきた。
俺の世話をしてくれているメイドの名前ロンカというらしい。
元々は奴隷で父親が買い取ったのだとか。
そして父親はロイ、母親はミゼ。
妹はシスと言うらしい。
ここが一番重要でこの世界では15歳になるとスキルを貰えるらしい。
例えば、勇者や剣聖。魔法使い、などなど色々あるようだ。
そしてスキル付与の時がやってきた。
「この水晶に手をかざしてください。
手に入れたスキルを使うも使わずも貴方次第。
そして手に入れたスキルは貴方意外知りません。」
ない
「分かりました。ありがとうございます。」
ドキドキしながら手をかざした。
そうすると頭に文字が浮かんできた。
「それが貴方のスキルです。用が終わればこちらへ。」
俺は聖者に連れられ外に出た。
俺に与えられたスキルは1つじゃないらしい。
これは異世界転移っぽい。
これで無双チートできるぞ。
1つ目は
相手の魔力を奪い、魔法を使えるようになるというもの。但し一度みたことある魔法しか使えない。
2つ目は
どんな者とも契約でき、好かれる。
召喚が絶対に成功し、対価が不必要となる。
3つ目に
脚とついているが、全ての行動が早くなるらしい。
最後に
これはありきたりなスキルだ。
剣術が軒並みうまくなり、上達が早い。
そして最弱と唄われる。
ただ、この世界ではスキルは1つしか貰えないはずだ。
このまま父親に報告するわけにはいかない。
ということで、
「父上、スキルは剣術者でした。」
そういうと鼻を鳴らし、こちらを蔑む用な目をして
「ソーヤ、お前はこの家の恥だ。
頼むから隠居してくれ。」
そう言ってきたのだ。
因みに言うと分かっていた。
ご飯中にそういう人だと思っていたからだ。
勿論だが、これには反論させて頂く。
「嫌です。ロンカも連れていきます。」
当たり前だ。
お嫁さん候補だ。誰にも譲らん。
「…許可しよう。彼女も最近15歳になったからな。但しお前はこの家の人間と名乗るな。
ここに帰ってくるときは夜中にこっそりとこい」
「後は、困ったらギルドマスターにロイの息子と言え。ある程度はもてなしてくれる。」
この人は優しいのだろう。ただ、家を守るのに必死な人だ。
こんなに優しくされているのなら言うことは1つだ。
「父上、ありがとうございます。」
そう言うと少し嬉しいような悲しい顔をして
「気にするなわが息子にしてやれる事をしているだけだ。
出ていくのは明日だ。家も準備しておこう。
ソーヤも準備をしておけ。」
「分かりました。」
父親とある程度の会話を繰り広げ、俺は自分の部屋へと戻る。
その途中、ロンカと出会う。
少し気まずく、一緒に来てもらえるか分からないがどちらにしても言う必要はあるだろう。
「ロンカ」
俺がそう呼ぶと彼女はこちらを振り向き
「なんでしょうか?ソーヤ様。」
「あの、その。…俺のスキルが剣術者で、家を出ていくことになったんだ。」
そう言うと驚いた用な顔をして
「そうなんですね、お父様に言われたんでしょうか。
よろしければ、私が準備しておきましょうか?」
「いいや、違うんだ。俺と一緒に来てくれないか?」
心臓がバクバクと動いている。
どうしようか。来てくれなかったら余裕で死ねる自信がある。
「…すいません。私はここにいないと…」
知っている。この世界ではダークエルフは好かれていない。
この辺の地域だけは、昔から交友があったので過ごしていけるのだ。
ここで来て貰えないと、俺のお嫁さんに会うのが難しくなる。
ここは一か八かだがやる価値がある言葉を口にする。
「じゃあ、さ。俺と付き合ってくれないか?
初めて見た時から好きになった。
守りたいと思うようになってしまった。」
「…っ」
顔が熱い。ロンカの顔が見えない。
ただ、この台詞だけは顔を見て言わなくては
「もう一度だけ言わせてくれ。
俺と付き合って一緒に来てください。」
そうして見た彼女の顔は涙が溢れていて、とにかく美しかった。
「…少しお父様と話してきます。」
そう言うと素早くその場を去っていった。
やらかしたかなぁ…
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