すれ違う人たち

すれ違う人たちに

すれ違ったと思っているのは

ほんとうのところ僕だけで

向こうは僕なんかと

すれ違ったことにすらも

きっと気付きはしないんだろう


すれ違う人たちに

いちいち憧れていたら

心いくつあっても足りないな

向こうは僕なんかに

見向きもしていないのに

馬鹿馬鹿しいったらありゃしない


人いきれの中を抜けて

一息ついたら

また次の人いきれ

息が詰まるよ


すれ違う人たちの

誰もが何かを感じている

そのことがたまに怖くなる

向こうは僕なんかの

感情だなんてこれっぽっちも

きっと興味はないだろうに


だから視線落として

自分の足だけ見て歩こうかな

ゴミが目につくな


誰かになりたい

僕じゃないヒトに

何かになりたい

僕じゃないモノに

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る