第34話持つ者、持たざる者
眞子視点
あの後、2対2の対戦をしました。
私と湊ちゃん対周平君と友人君。
日照り神様降臨は抜きでしてみたのだが、湊ちゃんがいるこちら有利だと思っていたら友人君は最初から村を出て森に忍んでゲリラ活動を始め、周平君は湊ちゃん攻めを八割ほど防いで村を防衛していた。
やはり恋人のことがわかるのかもしれない。
最終的には友人君の自爆覚悟の火薬を全身に付けた村人アタックで私達の村は灰塵と化した。
「う~ん、私と眞子ちゃんが攻撃と防御を反対にしていたら勝てたかも」
「相性でしたね。周平君は湊ちゃんの考えがある程度わかってたみたいだし、私は友人君の意外性に対応できませんでした」
「あの二人だとそっちがよかったかもね。二人が組んだら何してくるか長年一緒にいる私でも予測不能だから」
ええ最近は担任の梅田先生が主に被害にあってます。たまに私もですが。
今、私達は脱衣所にいます。
私は湊ちゃんと一緒にお風呂に入ることになりました。
湊ちゃんが一緒に入りたいと駄々をこねたのです。学校では頼れるお姉さまをしている湊ちゃんが手足をバタバタ振り回してワガママを言うのに屈して私は折れました。
だってワガママを言う湊ちゃんが可愛いんです。
周平君は親しき中にも礼儀ありと友人君を連れて時東宅に帰りました。徹夜で雨乞い2をストーリーモードで攻略するそうです、男子はタフだなぁ。
今の私はみんなと遊んで満足しています。男性で言うならば賢者モードですか。おっと気を抜くとすぐに考えがあちら側に寄ってしまう注意しないと。
服を脱いでると視線を感じた。胸に。
男性のいやらしい視線ではない。
振り向くと湊ちゃんが少し悲しそうにこちらを見ていた。
「大きいと上着を脱ぐ動きで背後からでも脇の下から形がわかるんだね・・・」
「何を見てるのかなぁっ!?」
「いや、たわわに実ったおっぱいを・・・」
「男子二人に毒されてるよ湊ちゃん!」
慌てて胸を隠す。
え、私の感性は男子高校生?とショックを受けている湊ちゃん。
「でも周平達が見てしまうのも仕方ないと思うよ。ほら今胸を隠すときにムニュッした感じとか」
「キリッとしても言ってることは変態だよ」
ショックから立ち直っても湊ちゃんは少しポンコツだった。
これが周平君の言っていたポンコツな湊ちゃんなのかなぁ。
素早くバスタオルで体を隠す。
あまり体を見られるのは好きではないのだ。
湊ちゃんが残念そうにする。本当に毒され過ぎてない?
「そんな良いモノを隠すなんて勿体ない」
「・・・そういう湊ちゃんは全く隠さないね」
湊ちゃんは一糸まとわずその裸体を晒していた。
細身で身長が高い湊ちゃんはスタイルが良い。
手足は細くて体はしっかりメリハリがある。
腰に手を当ててこちら向かないでほしい。同性でも少し恥ずかしい。
「見られて恥ずかしい身体を造ってないからね」
自信がそこにあった。全裸だけど。
「さ、体を冷やす前にお風呂に入ろうか」
湊ちゃんは浴室に入っていく。そのお尻は綺麗に持ち上がっていて綺麗だった。
「言っとくけど私も視線には気づくからね」
ヒエッ気づかれてた!
「ンフ~」
「ハフ~」
二人で体を洗いっこしたあと、一緒に湯船に浸かる。
洗っている時に何度か揉まれた。
やっぱりムニュッとしてるなと呟いたから故意だろう。
お返しに揉み返したら嬌声をあげられしまった。
少し気まずい雰囲気になる。
「湊ちゃんちの湯船は大きいね」
湯船は二人で入っても余裕がある。
「ん~、でもその分お湯をためないといけないから水道の無駄なんだよね。パパもママもシャワーで済ませるし、私は基本周平のとこのお風呂に入るし」
お金持ちでも水道料金を気にするのか・・・。
「て、周平君の家のお風呂に入っているの!?」
「殆どかなぁ。あっちに着替えも置いてるし」
これは後で周平君に詳しく聞かねばならない案件だ。でも周平君そんな状況で成人するまで我慢しないといけないのか、少し同情しちゃう。
「ねえねえ眞子ちゃん」
「なにかな」
「おっぱい揉ませてくれないかな」
「ブハッ!?な、なにを言ってるのっ!」
「いや、さっきは後ろからだったから、今度は前から」
「どうして!?」
もう何が何だかわからないよっ!
「持たざる者として持つ者の重さを知りたいな」
あ、少し心が冷めた。
湊ちゃんは自分の胸を見る。
スタイルはいいが平均より控え目のなだらかな山がそこにあった。
「周平は今の私でいいと言ってくれるんだけれど、周平も男だから実は大きいほうがいいのかなと思うのです。だから目標となる山を一度確認出来たらなと」
・・・この子はどこまで行っても周平君のことしか考えていないのだろう。
今回はダメな方に考えがいってますけどね!
「こんなのただの駄肉ですよ」
「そんな駄肉もないんです」
「肩がこるだけのものですよ」
「こらないようになる筋肉の付け方を教えてあげる」
それは是非とも知りたい。
「・・・触るだけですからね」
「三十回揉ませて」
「三回・・・」
「二十回」
「五回」
「十五回」
「八回」
「十回」
「はあ、わかりました十回ですよ」
少しだけ背中を反らして胸を前に出す。
同性でも流石に恥ずかしい。
「では・・・」
「んっ」
優しい触り方に声が出る。
「ア・・・」
「んんっ!」
「・・・ッ!」
湊ちゃんの手が離れた。
今の私は絶対に顔が真っ赤に違いない。
「ふう、ムニュッはただの表現だね。実物はこう何か・・・凄い?」
「ふっふっふっ、今度は湊ちゃんの番です!」
恥ずかしい思いをしたのだ同害報復の権利があるはずです!
私は湊ちゃんに襲い掛かった。
ーーーーーーー
「酷い目にあったよ・・・」
「それは私が言うセリフです!」
「でも柔らかかったなぁ」
「やめて思い出すのはやめて」
弁解させて下さい。本当はサラッと流して就寝編で眞子ちゃんを感動させる話にしようとしたのです。
ただ湊が勝手に動いたのです!
いたずらっ子め、メッ!
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