第24話腐の人の幸せ
なろうで書いているところまで連続投稿します。
おかしい・・・話が進まない。
坪川眞子視点
「少しいいかな坪川さん」
登校して一時間目の授業の準備をしていると。時東君が声をかけてきた。その隣には閑名君がいる。
二人は同じクラスメイトだ。
どちらも学校では上位に位置する有名人だ。
時東周平君、あの入学式で伝説を造った穂高湊さんの彼氏である。入学式の後も帰るまで恋人繋ぎをして穂高さんが惚気話したという常人なら登校拒否しそうな目になっても、次の日には手を繋いでいた凄い人だ。
外見は普通の高校生男子なのだが、やはり穂高さんの彼氏ふさわしく大変いたずら心がある人だった。
私が委員長になり時東君が副委員長になるとさり気なくサポートしてくれる良い人でもある。
たまに私の胸に目がいったりするが、すぐに目を反らしてくれる。
私も自分がどういう風に男の人に見られているかぐらいわかっている。時東君はたまに見るが男の本能というものだろう。困ったかのようにすぐ逸らしてくれるので私の中でポイントは高い。
言っておくが時東君に恋愛感情は一切無い。他の事では興味はあるが。
もう一人は閑名友人君、こちらも時東君と二分するぐらい有名人だ。時東君の親友らしくよく一緒にいるのでも有名なのだが、その行動が突拍子過ぎて知られることが多い。
入学式の次の日に通学路にあるベンチで白目を剥いたまま熟睡して、時東君に殴られて起こされたのは有名な話だ。
持ちネタなのかよく学校内で白目で寝ているのが発見されている。みんな怖いので時東君が呼び出されて叩き起こされているのがよく見られた。
私の隣の座席なので白目で寝るのは止めて欲しい。
友達は多いらしく同級生だけではなく上級生とも挨拶を交わしている。
私も隣の席と時東君の友達ということで話はさせてもらっていた。
その二人が私に用があるようだ。
二人が並んでいると妄想が膨らんで困る。
「何でしょうか時東君」
心の内を見破られないように隠して普段通りに声を出す。緩むと喜びの奇声を上げてしまいそうだ。
「えーと、この前の放課後に職員室に提出物を持っていこうとしたら湊・・・穂高に提出物を渡したよな」
時東君は穂高と言い直した!以前に呼び捨てで呼んでいるのは聞いているのに言い直す。良い資料になるなぁ。
「ええ、預かってもらったけど、それが?」
「湊の中ではあの時預かったことで俺の傍にいる権利を貰ったと思っているようで、坪川さんにお礼をしたいと」
すぐに湊呼びに戻ってる!それに俺の傍にいる権利!ああ、脳内に棚をいっぱい作らないと溢れ出しちゃう!
「えっと、言っている意味がわからないかな?」
「そうだよな。俺もよくわからん・・・」
時東君が困った顔をする。
「説明下手過ぎだ周平」
閑名君が時東君の肩にに手を掛けた!カ、カメラァァ!何でないの!仕方ない脳内撮影で記憶しよう。あとで書いておかないと。
「まあ湊ちゃんが坪川ちゃんに恩を感じたから、今日の昼食を一緒に食べませんかとのお誘いを俺達二人に命令したわけ」
「お前のほうが下手じゃないか?」
なるほど女王様、いや穂高さんの容姿なら王子様だ。
その王子様が自分の側近二人に命じたのね。早く家に帰って原稿を描きたいな。どうしてまだ朝なんだろう。
「坪川さんは購買部で昼食を買っていただろう?今日はこっちでいろいろと用意しているからどうかな」
時東君が申し訳なさそうに言ってくる。
「ご迷惑でなければ参加させてください!」
ああ、この高校に入学してよかった。
ーーーーーーー
「隠しているけど心の中は腐でいっぱいだろうなぁ」
「?何か言ったか」
「友人よ。お前はそのままでいてくれ面白いから」
「???」
坪川さんは普通の女の子だったのに周平に腐の人と思われたせいで、こんな子に・・・(;´Д`)
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