第13話止めてっ!梅ちゃん先生のHPはゼロよっ
ホームルームの場面を書こうとしたのにどうしてこうなった?
内履きに履き替えた後、湊と別れる。
周囲の人達、そんなに期待してもキスなんてしませんよ。
昨日は初回特典かな、学校では一応健全です。
不健全なのは帰宅してからなのです。どうして男の俺の方が我慢しないといけないのだろうか・・・。
自分への理不尽を嘆きつつ廊下を歩いていると教室にたどり着く。
少しだけドアを開けるのを躊躇する。だって昨日、湊が日照り神様として降臨したおかげでクラスメイトの殆どに顔と名前と憶えられた。
こっちは馬鹿と梅ちゃん先生と中学の知り合い数人ぐらいだ。入った瞬間に一斉に視線が集まるだろう。
覚悟を決めて開けた。
・・・おや?何の反応もないぞ。
なぜか教室の中央にクラスメイトは集まっていた。
「あ、時東が来たぞ。ちょっとこっちに来てくれ」
中学の時の同級生が呼ぶ。
「なに、なにかあったんか?」
「これこれ、どうにかしてくれ」
同級生は指差したのはクラスメイトが集まる中央だった。
みんながモーゼの海割りのごとく通り道を作ってくれる。
「チッ、味を占めやがったな」
「前から思ってたけどお前ら相手に厳しくね」
そこにいたのは友人だ。ただし机に突っ伏して寝てる。白目で。
天丼なんて今時つまらないのに、流行遅れだな友よ。
てか、ついさっき別れたばかりだぞ。ここまで短時間で熟睡できるのか?
「椅子に座って数秒で寝たぞ」
のび〇君なのだろうか。
「このまま放っておけば?HRが始まったら起きるだろうし」
「隣の席の子が白目が怖いっていうからさ。ほらあの子」
女子数名に慰められているおさげで眼鏡の女子がいた。
「あ、湊の俺と友人が仲が良い発言に反応した子だ」
ビクツと大きい反応を見せてくれるおさげ眼鏡子。
その可愛い反応に免じて助けてあげよう。
「顔が見えなくなったら大丈夫?」
「はい、白目が怖すぎて・・・」
友人よ。本当に高校で友達100人作る気あるのか。
友人の荷物を漁る。
朝の時でしっかり用意していたのだ。絶対に持っているに違いない。
ごそごそ、あったあった。白紙のルーズリーフとマジックが。
誰かテープ持ってる?ああ、ありがとう。少し使うよ。
「負け犬・・・いや、面白みはないな」
微妙に変えてみたのをルーズリーフに書く。それをテープで友人の顔に張り付けた。
「「「ブフォッ!」」」
周りにいたクラスメイトが噴き出す。あ、悶絶してる男子もいるな。
そんなにツボに入ったのか負け太が。
おさげ眼鏡子もこれで大丈夫?必死に口を押えてるけど。
クラスメイトに笑顔をもたらせたのなら友人も満足だろう。
予鈴がなった。
「ほーら笑ってないで座席に着こうか」
同級生がお前のせいだろうがと言っているが、友人のことかな。
全員が着席するとすぐに梅ちゃん先生が入って来た。
「皆さんちゃんとしずかに着席してますか。昨日の式みたいに問題を起こさな・・・て、すでに問題が起きてる!」
ニコニコしながら入室した梅ちゃん先生は友人を見て驚いたようだ。
「誰ですか!こんないたずらをしたのは!隣の坪川さん取ってあげて」
「え、私ですか?む、無理です。怖いです」
梅ちゃん先生の言葉におさげ眼鏡子が頭が千切れそうなほど横に振った。
おさげ眼鏡子は坪川さんというのかようやく新しいクラスメイトの名前を知ったぞ。
「?何が怖いのですか。可哀そうに今取りますね」
梅ちゃん先生が友人の座席に行く。
「負け太って漢字が間違ってるしもう!」
もう!と同時に梅ちゃん先生はルーズリーフを剥いだ。
現れる白目で寝ている友人。
「キュウ・・・」
キュウとか言って気絶する人初めて見たよ。
話が進まない・・・が、後悔はしないっ!
周平は能力値は平凡ですが、日常のやらかし具合は湊を遥かに越えてます。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます