第10話野性の友人が落ちていた。取る?取らない?

前話が短かったので。

消滅した約5000字のシリアス文章の供養に、おかけで予定していたあらすじが全部パーだ!(*´∇`*)



周平視点


 湊はご機嫌だった。

 俺はムラムラしていた。


 だって高校生なのです。しかもまだ二日目のピチピチ。

 彼女の画像に興味津々ですよ。

 でもスマホは湊と繋いでる左手側のズボンのポケットの中だ。

 これも孔明の罠か!


 孔明の罠、便利だな。未来でビーム撃ったり、女体化されたり、パリピにされたり、わりと忙しそうなお方だが。


「湊さん、そろそろ手を離しませんか?」

「やだ」


 学校に近づくにつれて制服姿が増えてくる。

 こちらを見てキャーキャー騒ぐ女子、嫉妬する男子、公開羞恥プレイしてるよと憐れむ人達と反応は様々だ。

 俺達二人を無視できる人はほとんどいなかった。


 しばらくは湊が満足するまで毎日この状況が見られる。

 慣れるまで時間がかかりそうだが、湊がお望みなのだから彼氏の俺は付き合うしかない。


 ときどきおめでとうと声を掛けてくれるのは、同じ中学の連中だ。たぶん俺達の事情を知っている奴だ。


 前にも言ったが俺達が正式に交際し始めたのはほんの数か月前。

 それまでは夫婦みたいな関係を続けながら、二人そろって相手に釣り合わないと思い込んで間違った努力をしていた。

 それが破綻して本音を言いあって、ようやく交際がスタートしたのだ。ただ周りには夫婦同然の時とあまり変わっていなかったが。


 おめでとうと言ってくれたのは、ようやくバカップル宣言したのを祝福してくれているのだろう。


 いろんな視線と祝福の言葉を受けながら歩いていると動いていない集団が見えた。


「何だろうあれ」

「変な物が落ちてたんじゃねえの。泥酔して仲間に全身に落書きされてベンチに放置された大学生とか」

「妙にリアルだね」


 以前に見たことがあるのですよ、超人達の特徴がふんだんに顔に描かれた泥酔した大学生を。

 人はどれだけ残酷になるか思い知らされた出来事だ。

 その大学生は親切な人に起こされてフラフラとどこかに行ったが、気づいたときにどんな行動を起こしたのかいまだに気になる所である。


 どれどれ気になるので覗いてみよう。


「・・・」

「・・・」


 馬鹿がいた。

 

 正確にはベンチの上で白目状態で栄養ドリンクを半開きの口から垂らしている友人が横向きに寝ていた。飲み終わったビンがベンチに一本、手に開けたものが一本、二本目の途中で気絶したのだろう。


「これ昨日の私のやらかしを現在進行形で塗り替えていってるよね」

「ああ・・・無茶しやがって。俺達の為に身を挺して犠牲になってくれたんだ」


 このままそっとしておいて俺に向けられていたヘイトを少しでも取ってもらおう。


「あ、周平起こしてって書いてある紙を持っている」

「このフンドシ馬鹿野郎がぁぁ!」



 周平と湊はそれなりに悩み苦しんだ上で今のバカップルに落ち着きました。

 その内容が消えた5000字に書かれていたのですよ(´;ω;`)


 友人はここで取っておかないと後で困る便利アイテムです。

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