第8話二日目も朝から飛ばしていく湊さん
??視点
「日照りじゃ、日照り神様が出たぞ~」
村の男が叫びなら走りこんできた。
村のみんなの動きが止まった。
今日は去年の不作を乗り切り、数年ぶりの祭りを開催していた。
若い者は好きな相手に話しかけ、年配の者は集まって久しぶりの酒を飲んでいる。
そこにやって来た最悪な知らせ。
日照り神様、現れるとその年は必ず日照りになり不作になってしまう。五つ隣の村に現れたから、しばらくは大丈夫だと思ったのに・・・。
村中が絶望の雰囲に気なる。
これからみんなで幸せに暮らしていけると思っていた矢先だ。その落ち込みようをは計り知れない。
「みんなこれはチャンスだ!」
ざわついている村民に俺は叫ぶ。日照り神様がやって来るなら、村長として鼓舞しなければならい。チャンス?時代にあっていない言葉ような気もするがすんなり出てしまう。
「俺達はこの一年、日照りへの対策をしてきたはずだ。ここで日照り神様を倒せばずっと不作に悩まされることは無いんだ。倒すぞ日照り神様を!」
「そ、そうだオラはやるぞ!」
「オラもだ!これ以上、村の娘を生贄にしてたまるか!」
皆がどんどん立ち上がる。よしこれで対応がしやすくなったぞ。
「それなら村長には戦装束になってもらわねえと」
ん?
「そうだべ。村長には下はフンドシになってもらわないと村のみんなの士気が上がらねえべ」
ホワイ?
村民が俺に近づいてくる。
「ほら、村長脱ぐべ脱ぐべ」
「いっいやぁぁぁあ!」
周平視点
「フンドシはいやぁぁあ!」
自分の叫び声で目が覚めた。
「はあはあ、夢か?夢だよな?夢であってくれ」
おそろしい夢だ。ムキムキマッチョな村民が俺をフンドシ姿にしようと迫って来るなんて悪夢でしかない。
これは友人のせいだな。寝る前に雨乞いフィーバータイム2の主人公の村長がフンドシにならないとステータスが半分になるのが困る、とかいらんけど微妙に気になる情報を送ってきたのだ。悪夢を見るには十分な条件だろう。
「あの野郎・・・、コントローラーにビニテじゃなく強力な両面テープを張り付けてやる」
ベタベタする上に剥ごうとすると絶妙に千切れて苦労するのだ。イライラ死にすればいい。
ん?なんか下半身がスース―するな。
頭を上げて見ると、視線が合った。
「湊さん」
「はい」
「どうして俺のパジャマを脱がしているのかな?」
「待って、深い事情があるの説明させて」
ほほう、寝ている間に膝までパジャマを下げるちゃんとした理由があるなら聞こうではないか。
「早朝の日課のランニングを終えて時東家にシャワーを浴びに来ました」
うん、ランニングしているのは知ってるよ。でも隣にある自分の家でシャワーを浴びないかな?
「着替えを取りに自分の部屋に向かってたら周平がうなされている声が聞こえてきました」
そうだね。時東家なのになぜか俺の部屋の隣に湊の部屋があるもんね。最低限のものしか置いてないけど。
清い交際とはなんなのか時東、穂高両家の親達と一度話し合ってみよう。
「心配した私は部屋に入って」
「まてまて、鍵がかかってたはずだぞ」
「そこは十円玉でカチッと」
穂高パパァー!あなたの娘は犯罪者ですよ!
「部屋に入ったら周平がフンドシ、フンドシは!てうなされてた」
「・・・」
寝言でフンドシと連呼する男子高校生、嫌な光景だ。
友人のコントローラーには中途半端に溶けた飴を塗り付けておこう。
「だから周平のパジャマを下ろしてみた」
「なぜだ!」
普通は起こすだろうに、どうしてこいつはおかしい方向にいくのだろう。
「だって彼氏がフンドシを穿いてるかと思ったら気になって見たくなるじゃない」
「出てけぇー!」
湊を部屋から追い出した。
「昔は普通に可愛かったのに、どうしてあんなにおかしくなった・・・」
顔を両手で覆う。
最近、よく顔を覆っている。湊7友人3の割合でだ。
「ねえねえ、オカズに使う画像を撮って送った方がいい?」
「うるせぇ!」
ドアを少しだけ開けて言う湊に枕を投げつけた。
近日中に両家親と、湊の性知識関連で真剣に話し合おう・・・。
「お婿に行けない・・・」
「私が貰うから大丈夫!」
「彼女が男前すぎる」
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