宝石オパールは語る_5 ~ライトニングリッジ産~
色石ひかる
第1話 問題編
私は
宝石や鉱物を販売するミネラルショーにきた。最初にオーストラリア産オパール専門店へよった。店主の
「彩香ちゃん、今回も来てくれてうれしいです。思う存分ルースをみてください」
「すてきなルースとの出会いが楽しみよ。気になるところがあれば質問するね」
展示されている手前のルースから眺めた。今日もオパールを堪能できる。
手前のルースを見た後はガラスケースに目を向けた。高価なブラックオパールのルースが並んでいた。1ヶ月分の給料では買えない価格だった。
「興味のあるルースがあれば取り出します」
芽衣子さんが笑顔で話しかけてくれた。手にとって見たいけれど高価すぎる。落とすと怖いから、慣れるまでは見るだけがよさそう。
「眺めているだけでも充分に堪能できるよ。必要なときは声をかけるね」
ガラスケースから手前の大きな箱に視線を移した。20個のルースケースがきれいに並べてあった。ブラックオパールのルースが入っている箱だった。
緑色と青色のルースが目立っていた。赤色のルースは少しだけ。小さいルースが多いけれど発色のよいルースもあった。今日は発色のよいルースを探してみたい。
5つのルースケースを大きな箱から取り出した。
「芽衣子さん、このルースは発色がよさそう。少し詳しく見せてね」
「手に取った5つは、どれもすてきなルースです。ルースケースから取り出したい場合は、トレイを用意します。いつでも声をかけてください」
「最初はこのままの状態で見てみたい。詳しく見たいときはお願いするね」
まだルースの取り扱いになれていない。ほしいルース候補を絞ってからルースケースから取り出したかった。
ひとつひとつ眺めた。どのルースも小さいけれど輝きが強かった。表面は星空の模様から、一面が輝くルースまであった。色は青色と緑色が多いみたい。同じ青色でも紺色ルースと水色ルースがあった。
5つあるルースの中では、紺色ルースと水色ルースが気に入った。値段を知るためにラベルを確認した。気になる言葉があった。
「芽衣子さん、この2つのルースはブラックオパールよね。でも水色ルースはライトニングリッジ産オパールとラベルに書いてある。紺色ルースのラベルはブラックオパールだった。同じに見えるけれど何が異なるのか知りたい」
芽衣子さんの発言をまった。
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