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「さて至高のチラリズムができたところで」


「チラリズムじゃなくてちらし寿司だって」


「異性を落とすための必殺奥義、『はい、あーん』を実行する」


「きちんと食いもんとして認識してんじゃねーか」


「まずは、ふーふーする」


「ちらし寿司をふーふーする意味」


「失礼するね……ふー……ふー……」


「いや耳ッ!? ふーふーするの俺の耳!?」


「ドキドキした?」


「するけど!! ドキドキはするけど!! ちらし寿司とこれとの関連は何!?」


「食べるのに耳あかがあると邪魔かと思って」


「おまえ耳から食わそうとしてるな!? ちらし寿司を耳から食わそうとしてるな!? おまえナチュラルに人間は耳から食事を摂取できる生命体だと勘違いしてるな!?」


「鼻がよかった?」


「口という選択肢はないのか!?」


「ライムとミントのさわやかな香りが鼻に抜けるよ?」


「鼻に抜けるという状況は鼻から直に接種してたら起こり得ないんだよなー!? おまえは人間の口がなんのためについてると思ってる!?」


「えっと……愛の言葉をささやいたりとか……キスしたりとか……言わせないでよ、恥ずかしい」


「おまえの羞恥のラインどこにあんの? 切り口が行方不明になったセロハンテープか?」

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