✿登校 弐

学校に向かって歩いているなか俺はふと疑問に思った。「そういえば俺はこいつに好かれるような何かをしたことがあるか?」と、記憶を振り返ってみても思い当たる節はない。だとしたらなんでこんなにも好かれてるんだ?

「なぁ?なんで紅人は俺のことを好いてるんだ?お前の好感度を上げるような事なんてしてないだろ」

こいつが俺の顔がタイプだからといっても他にも俺みたいな綺麗系の顔をしている人間は他にもいるだろうしだとしたら他に理由があるから俺のことをこんなにも好いているんだろう。

「それはですねぇ…神楽様のお顔が好きなのもありますが一番の理由は貴方様が私のことを視認できるからですね」

あぁ…なるほどな。確かに俺みたいに顔が良くても人外を視ることができる人間はそうそういないだろう。

「それに私がいくら相手を好いていても視てもらえないんじゃ哀しいじゃないですか」

紅人の顔はどこか哀愁を感じさせる顔をしていた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る