✿全て思い出したい

紫雨さんは、俺が記憶を思い出すことで喜んでくれるのだろうか。もし、俺が記憶を思い出さないままだったら紫雨さんは悲しむのかな。それなら…全て思い出したい。紫雨さんが悲しそうな顔をしているのはなんか…嫌だから。

「紫雨さん、俺思い出したい。なんで紫雨さんに会ったことがあることを忘れたのか」

「もし、思い出した事によって神楽に危害が及んだらと思うと……。思い出さない方が良いかもしれない」

この人はなんで…俺の事になると意気地なしになるんだ!さっきは刀で霊を斬り伏せたのに。

「俺に危害が及びそうなときは紫雨さんが守ってくれるんでしょ?」

俺の言葉を聞いた紫雨さんは、ハッとした顔をして少しだけニコッとしてこう言った。「そうだったな…」と。

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