❁記憶 参

「なぁ、頼みがあるんだが…聞いてもらえないか?」

もう、あの子から離れるべきだ。その方があの子の為になるし俺の為にもなる。けど、俺達のような 人ならざる存在が生まれつき視えるのに身を守る術を持たないあの子は何時でも危険に晒される事になる。いや…俺が遠くで守れば良いのか。

「どのような頼みですか?まぁ…どうせあの子供の記憶を書き換えてくれとかでしょうけど」

流石、監視者と呼ばれるだけのことはあるな。

「そうだ、急で悪いが明日お願い出来るか?」

決心が鈍らないように早めの方が良いだろうと思い明日にしたが、無理だろうか。

「明日ですか…良いですよ。早いほうが書き換える量も変わりますからね。それでは、私は他に行くところがあるので失礼します」

「あぁ、宜しく頼む」

俺が返事をすると直ぐに姿を消した。

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