俺,魔王なんだけど!?

光の弓道師 珊瑚

第1話

風音かさね早く起きなさい!今日は,ハローワークに行くんでしょ!」

家中に母の声がなり響いている

「わかったよ,もう起きてるからそんなでかい声で話さないでくれよ!」

「何言ってんだいあんたが起きないからだろう?それに今何時だと思ってるんだい?もう11時半だよ!さっさと着替えて行きなさい!」

俺は,心の中でこう思った「二十歳にもなって親に起こされるなんてめちゃくちゃ恥ずかしいんだが...」

「分かってるよ!いってきまーす」

バタン


「行ってらっしゃい...頑張るんだよ...それに無事に帰って来ておくれ...

よっしあたしもやることを終わらせるかね…」


「こんにちは,今日予約してました灰ヶ峰はいがみです!」

「お待ちしておりました!あなたを担当します,藍風心羽あいかぜ ここねと申します。」

そう言って出てきた女の人は,どこか不思議な雰囲気を放っている。

「よっ...よろしくお願いします!自分は,灰ヶ峰 風音と申します」

「これからじっくりと仕事探しを手伝います!まぁ立ち話もなんですから,こちらのお席にどうぞ」

「ありがとうございます」

「まず最初に自己紹介の方をお願いしてもよろしいですか?先程お名前は,伺いましたが。」

(仕事を探すのに自己紹介なんているのか?まぁ俺は,分からないから言う通りにしておくか)

「分かりました。私の名前は,灰ヶ峰 風音

と申します!年齢は,25歳独身童貞無職です!好きなものはメイド姿の獣人や妖艶な魔物です!」

「メイド姿の獣人?妖艶な魔物?なんですか?それは...」

(この人もしかしたらわたしと同じでゲームオタクなのかしら?)

「あっ...これはあるゲームのキャラクターなんですよ,分からないですよね」

「そのゲームの名前を伺ってもよろしいですか?」

「いいですよ!【魔王伝】って言うゲームです!」

「そのゲーム私も知っていますよ!」

「そうなんですね!」

「ゲームの話をしたいのは,山々なんですがまぁ職務中なので辞めておきますね。さて話を戻しましょう!」

「ですね」

「率直に申し上げますね」

俺は,何を言われるのだろうか?全く検討がつかないぞ?

「はい...」

「灰ヶ峰さんは,働ける場所はないですね」

「えっ?どういうことですか?働ける場所がない?」

「はい,あまりにも社会不適合者でしたので」

「そうですか...分かりました。ありがとうございました」

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