転生したらモブになろうと思った件。

白咲焰夜

序章 異世界転生する前編

第1話 〜プロローグ〜

 ━━━━━何故か……俺は、死んでしまった。


 死んでしまった理由は……知らない。

 だが、確証を得ている。俺は確実に死んでいた。


「もし━━━━━━━━ますか?」


 ━━━━んん? 何故だか、幼女っぽい声が聞こえる...…。


「おー━━━━━━━━━して━━━━━さい!」


 ━━━━何だよ。起きれないんだよ・・・。


「起きろーー!!!!」


「うわぁぁぁぁぁぁぁーー!?」


 俺は、叩き起こされて起きたのだ。

 そして、俺はその幼女っぽい声をした方へ振り返る。


 すると、本当に幼女っぽい人が……そこには立っていた。


「もう! この美女を待たせるなんて男失格よ!」


 何故、自分で……美女と言うんだ……?

 と、そう心の中で言った。

 まぁ、本人に言ったらどうなるか分からないから……な。


「私の名前は、パンドラ! 異世界の案内神だよ!」


 そう言われた俺は……。


「は、はぁ...…?」


 ━━━━━━━と、そう言うしかなかった。

 そして、そのパンドラさんはある事実を言葉にする。


虹凪にな 未来みく! 君は、 突然死したけど……これは、私が仕掛けたんだよ!」


 ━━━━━━━━ん? ちょっと待って? 色々と聞き捨てらない事を聞いたぞ? 突然死したけど、それは仕掛けた? って、言うか……今、虹凪 未来って言ったよな?


 俺は、本当のことを言った。


「あの~。俺、鷹白たかしろ 希稀のぞみなんですけど……。」


 そう俺が言った瞬間……俺を見た。

 パンドラさんは……目が飛び出すんじゃないかみたいな大声をあげた。


「え、えぇぇぇぇぇぇぇーー!?」


 俺は、心の中で状況を整理しつつ、思った事を言った。


『この状況を見る限り……? いいや、見なくても確実に言うと……。━━━━つまり、俺は手違いで殺されたって事か...…。』


「━━━━━はぁ……。」


 そう心の中で整理しながら、ため息を吐いて……また、思った事を言う。


「つくづく、運がないな……。俺……。」


 そう言った。

 本当に俺の特殊体質で……不幸体質なのだ。しかも、俺自身にしか不幸が訪れない体質なのだ。


 俺は肩を落としていた矢先……パンドラさんは開き直りながら言った。


「頼む! 今更、あなたが居た元世界に帰せないし……このまま天国に行かせると……。私が“あの方”に怒られるから...…さ!」


 あの方って言うのは、お察しした。

 おそらく、全てを司っている神の御二方だろう。


 その名も、神々を生んだ魔皇 アザトース……と、全知全能の神 ゼウス……だと思う。


 そして、この言葉の先もなんとなくだが……察した。


「お願いします! あなたを虹凪 未来として……転生して貰わせてください! 本当だったら……特典付けないで行って欲しかったけど……今回は訳あり……だから、特典を付けますので、お願いします!」


 ━━━━━━俺は、ため息を吐きながら言った。


「いいですよ……。 前の人生は正直……飽き飽きしていたので……。」


 ━━━━━━━と、そう言うと……パンドラさんは、目をキラキラしながら言った。


「ありがとう!! この恩は、これから返すね!」


 正直……不安しかないが……。

 まぁ、いいか……。


「じゃぁ……! 全ての準備が完了したから……送るね! 色々と迷惑かけてごめんね! じゃぁ……! この第二の人生に幸あれ!!」


 こうして、 虹凪 未来と言う人の代理で死んでしまった鷹白 希稀は……虹凪 未来として新たな人生を歩むこととなった。


 そして、その未来は異世界に着いて……ステータスを確認したら……。


「なぁ……!?」


 ━━━━━━━と、声が抑えきれない程のとんでもないのを目にするのだが……。


 それはまた別の話である……。

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