Episode 2 ねむの木

 皆さんは、ねむの木をご存知でしょうか。

私の通勤する道すがら、何本もの ねむの木があります。

普段、何の木か気にしていなかったのが、花が咲いてやっと、あ!ねむの木だったんだ!ってなりました。

割と大きく育つ木のようで、私が見かける木は見上げるくらい、5〜10メートルはありそうです。

そのねむの木が、今が1番満開に花を咲かせています。

ピンクのふわふわした感じの花がいっぱいいっぱい咲いていて、本当に可愛いです。

ねむの木の名前の由来でもあるように、夜になると葉っぱが閉じて眠るような、就眠運動というものをする木です。

葉っぱも可愛い葉っぱです。


あ、オジギソウって、わかりますかね?

それが巨大化して木になったような感じです。

同じマメ科の植物ですね。


昔、大昔ですが、小学一年生の時、学校の花壇にオジギソウが植えてあって、その葉っぱを指で、ツンって触ると、葉が閉じておじぎをするってゆうのを私は知っていたけど、周りの友達は誰も知らないみたいで、私だけが知っている内緒の楽しみみたいな感じで、そうっと触っておじぎさせて悦んでました。

だけど、触るとそうなるんだよ~ってのを、本当に友達に知られたくなかったんですよね。

別に減るものでもないのに。

ある時、座り込んで触ると気づかれちゃうなって思った私は、足で、靴でそうっと葉っぱをツンツンしてたんですよね。

何事もないように、バレないように、いかにも自然な感じで、ツンツンって。

そしたら、

「コラーーーー!!!!何やってんだーー!!」って、先生に大きな声で怒られて。

先生から見たら、私がオジギソウを踏みつけて、踏み潰そうとしているように見えたのでしょう。


「なんで踏みつけたんだ!?」 

って聞かれたけど、そもそも踏みつけてはいないし、だけど、オジギソウがおじぎするのを独り占めしたかったから、なんてことを言うのも嫌で、私はとりあえず泣いていた。

“オジギソウ=めっちゃ怒られた記憶”

です。


ねむの木のピンクのふわふわのお花を見ると、私の中では なんとなく、オジギソウと怒られた記憶が紐付けられていて、ちょっと切ないような懐かしいような、幼い子どもの頃を思い出します。


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