6話
「青、白、赤、ピンク、紫の中で、わたしを色に例えるとどれですか」
「ちなみに、この質問でわたしのことをどう思っているかが分かるよぉ~~」
「んーー ……」
これはミスったら変な空気になるタイプの心理テストなのかもしれない……
ここは慎重に選ばねば。とも思ったが、案外正直に答えた方が良いのかもしれない——
考えたのち、なんとなくアヤメ (5月に咲く紫色の花) を頭にのせてそうなイメージがあったので、俺は『紫』に決めた。
そして、頼むから安全な答えが帰ってくるようにと願いながら答える。
「む、紫……」
頼む、安全なやつきてくれぇぇ!
「んじゃ答え合わせいくねぇ~~♪」
なんだか凄く機嫌が良さそう……
「まずは青、わたしと結婚したいと思っています」
————どうやら最も危険な解答は避けることができたようだ。
「白は、わたしを理想のタイプ。赤は、わたしを兄弟姉妹のようにかわいがっている人。ピンクは、わたしを良き友人だと思っています」
「最後に紫……」
おそらく赤が一番危険な解答なはず。となれば、紫はせいぜい赤よりかは安全なはずだ——
「あなたはわたしを……」
ごくり……
「わたしのことを、体の関係を狙っている人だと思っています?!」
ッッッ?!?!
「と、遠野くん…… わたしのことそんな目で見てたんだ……」
「ち、ちがうよ! ほんと違うから!」
やらかしたぁぁぁ——!! 俺としたことが一番ヤバいやつ選んじゃったぁぁぁ!!
※ ※ ※
——その後は誤解を解くのに必死だった。まあ、細川さんもなんとか理解してくれたっぽい。二度とこんな過ちは犯さないようにしなければ……
すると————
「コホンッ んじゃあ気を取り直して次の質問いくねぇ~~」
え? まだやるの?! さっきめちゃくちゃ気まずい思いしたとこなのに?!
…………どうやら彼女はまだやる気でいるらしい。
「細川さん…… 今日はもう終わらない?」
「ダメだよ。さっきの罰としてまだ付き合ってもらいますぅ~~」
そ、そうですか————
「ではいきますっ」
「わたしを映画に誘うなら、恐竜系、ラブロマンス系、歴史系、アクション系のどのジャンルの映画に誘いますか」
——今回の質問では、あまり危険な解答はなさそうだ。それもそのはず、流石に相手もそこんとこは気をつけているのだろう。
普通に考えると、女子相手に恐竜系とアクション系は論外。となるとラブロマンス系か歴史系。だが、細川さんの性格的には歴史系は好きじゃなさそうだな……
となれば、答えはラブロマンス系。か……
もしもこれがこの質問の地雷だったとしても、前回の質問に比べればどうってことない。では決まりだ。
「ラブロマンス系」
「えへへぇ~~♪」
急に細川さんがにやけだした……
「ど、どうしたの?」
「答え合わせ見ると、ラブロマンス系を選んだあなたは、わたしのことが好きなんだって!」
「そ、そうなんだ……」
「ねぇねぇ、ほんとぉ~~??」
と、にま~っとしながら一気に距離を詰めて
だが焦るな。ここは平常心を保ち、冷静に答えなければ——
「うん。けっこう好きだよ」
と、しっかりと相手の目を見て、冷静に本音を答えた——
すると白石さんは、
「と、遠野くんのおばかさんっ!!」
と言って、顔を真っ赤に染めて教室から出ていってしまった……
俺なんかまずいこと言った——??
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