ボクはロボ

抹茶

第1話 ハジマリ

いきなりな展開だがある日、人工知能搭載のロボットが開発された。そのロボは作った人が癒しが欲しいと作ったロボである。


最初は何も喋れなかったので50音から教えて発声もできるようにした。そして記念すべき最初の言葉が出た


「コンニチハ」


それが最初の言葉だった。少しカタコトな感じだったが最初にしては上出来だと思う。これから言葉を発するごとに少しずつよくなるだろう。そんなことより言葉を発せたのが何より嬉しい。


数時間の内に言葉も流暢に話せるようになってきた。そしてある日ロボが名前を付けてほしいと言ってきた。

名前なんて付けたことないから迷って迷って迷ったあげく″サトウ″と名付けてみた。我ながらネーミングセンスの無さが目立つ。


「サトウですか!サトウ嬉しいです!」


そうやってロボはすごく喜んだが、一人称にもなると考えると少し変な気持ちになる。そしてやっぱり名前を″ボク″にした。深い意味はない。ただ一人称として使うなら″ボク″が良いだろうと思って″ボク″にした。


「ボク!いいですね!気に入りました!」


少しは愚痴を吐いてくれてもいいのだが、吐かれてもネーミングセンスが無いのでどうにもできない。


そんな事を考えているとロボは「色んなことを学びたいです!」と言ってきた。そういえば50音と名前と簡単な事しか教えていなかった。


まず最初に″人″という生き物を教えた。1人じゃ何もできないが沢山集まると何でもできる。人特有の言語を話す。強いようで弱い生き物だと教えた。そうするとロボは


「ならボクも″ヒト″の分類なのでしょうか?」

と聞いてきた。


その質問は難しい。なぜなら人の基準というのはとても不確かなものだからである。生きていれば人?違う。人特有の言葉を話せると人?違う。内蔵があれば人?それも違う。人という生き物の基準とは一体なんなんだろうか。ロボの質問には少し違うとだけ答えた。


次に″ロボ″という物?生物?について教えた。

ロボは人工的に作られたもので、指定された動きを永遠と続けるものや人工知能で自分で考えて動くものの2種類ある。と少し大雑把だが説明した。するとロボは


「ボクはこっちに分類されるんですね。」

と言った。


少し残念そうな顔に見えたがすぐに次の質問をしてきた。


「ボク以外にもロボはいるんでしょうか?」

と聞いてきた。


いるにはいるのだが遠い場所にいるので会うことは無いだろうとだけ言った。少し残念そうに「そうですか」と言って終わった。



  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る