君が消えた夏、僕らは共犯者になった
蒼木ゆう/ビーズログ文庫
プロローグ
「ナイショだよ、仲間だけのヒミツだからね?」
少女は笑いながら宝物を箱の中に
きっとそれは世界で一番大切なモノ。
時計の針は進み、やがて木は背を高くして、少年は大人になった。
雲の上に城はない。
森の中に
海の底に
そんな現実に慣れて、あの
けれど、まだどこかに残っている。大切な、とても大切なキラキラしたものを
「忘れないで」
ずっと、忘れない。
「思い出して」
覚えているよ。
「ナイショだよ」
うん、
『どうか忘れないで』
その
遠くで、暗い空……けれど
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