瞳の中の金魚

ririn/(・∀・)

第1話 何か見える

 7月中旬、緑の葉が増える中、都心に有る大きな病院の窓からは、悲しい顔をした少女が覗いていた。

 もう、梅雨明けなのに最近、雨ばかりでそのせいもあって彼女の顔は、ますます暗くなっていた。

 その時、ガラッと病室のドアが開くとともに少女は、急いでベットに戻る。

「夏海。大丈夫?昨日より顔色よくなったはね。お母さん仕事で夜ここには、来れないかもしれないけど大丈夫?」と母が言うと夏海が

「大丈夫だよ。看護師さんも居るし、

 昨日よりだいぶ体調いい。」

 と言うと母は、行ってきますと急ぎ足で病室をでていった。

 母がいなくなると、夏海はベットから出てまた窓をのぞいていた。

 夏海は、昔から体が良くなかったそのせいで、しょっちゅう高熱を出して入退院を繰り返していた。

 退屈な病室では、大抵窓を眺めていることが多い。そして今日もいつものように窓をながめていた。その時だった

 ぶくぶく

 その音とともに一瞬まどに水から顔を出した金魚が現れた。

 夏海は、驚いて目を見開いて確認したが、もう窓に金魚の姿は無くなっていた。

それから、たまにその金魚が現れるようになった。大抵窓に映ることが多いが、最近では夢にまででるようになった。金魚は、いつも何か訴えかけるような表情をしていた。



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