理の統括者~パパ《神》は、神《パパ》だよ~

闇月 龍

第1話

「おい、あんな小娘2人を攫うだけで、本当にあの額が貰えるのか?」

スキンヘッドの大男は、隣にいる黒いローブを着ている男へと訝しげにそう問い掛ける。


「ん?ああ、そうは言うが昨日見通す者が依頼者の仲間に発現したお陰で、やっと見付けられたんだぜ!何せ今まで電話番号や、SNSのアカウントを手に入れようが何故か繋がらず、見ることすら出来なかったんだからな。」


「そういや、住所まで手に入れて置いて現地へ向かおうとしても、不思議なことに辿り着かなかったんだっけな。・・・ギフターズ《授かりし者》だと思うか?」


「ああ、間違いないだろう、どちらかは確実に阻害認識系統のギフターズだろうな!」


「それにしたってこの人数は大袈裟だな。2人の小娘相手に10人のギフターズを送り込むなんて。しかも成功報酬は参加者全員に1億だぜ。それに対象者の生死は問わずだ!依頼者は何を焦っていやがる?」


「さてな、俺達はただ確実に依頼を遂行するだけだ。依頼者がここまでのギフターズを使えるとなると、余り詮索すると物理的にこちらの首が飛ぶことになりかねんぞ」


「ま、確かに半分くらいしか見知った顔がいねーしな。監視の意味も含めて依頼者の手の者が確実にいるな!こちらは金さえ貰えれば用はねえ。さっさと終わらせて本国へ帰って豪遊と行こーか。」



場所は変わり、ある建物の一室で満足そうにモニターを見ながら1人つぶやいている者がいた。

「やっと捉えたか、そうそう君達は目の前の2人を捕まえるだけで、余計な事は考えなくて良いんだ。ある一定の空間を現実とは切り離す道具を部下に持たせてあるから、存分に力を発揮してくれよ。」



一方その頃、年頃は高校生か大学生かといったところの女子2人。そのうちの1人の呟きは

「はぁ~、パパ《神》と結婚してぇー」

であった!

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