仔馬の尻尾

勝利だギューちゃん

第1話

今日、7月7日は七夕。

と、世間一般では認知されている。


でも、私のなかではポニーテールの日という印象が強い。


私は普段は、ショートヘアーで通している。

動きやすいし、手入れが楽だから・・・


昨年の今頃、ちょうど七夕の日に、何人目かの彼氏が出来た。

彼氏と言っても、少し仲のいい男の子なのだが・・・


彼の誕生日は丁度、7月7日だ。


「もし、来年の今頃も、付き合っていたら、何がほしい」

「ポニーテールの君がみたい」

「じゃあ、私にはその髪を結ぶ、リボンをお願い」


そんなやりとりをした。

私は、一年間伸ばし続けた。


どうせ別れるだろう。

これまで付き合った男の子は、みんな私から去って行った。


どうやら友達としては最適だが、異性としては見られないようだ。


しかし、その彼とは1年持った。


短かった髪は、もう肩の下まで伸びた。

ポニーテールにしては、短めかもしれない。


でも・・・


「じゃあこれ」


昨日彼から、リボンを渡さえれた。

青いリボンだ。


「どうして青?」

「君の名前が葵だから」


私は、初めてのポニーテールを結ぶ。


さあ、彼に会いに行こう。


この日が、特別な日となることを、私はまだ知らない。

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仔馬の尻尾 勝利だギューちゃん @tetsumusuhaarisu

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