地球防衛計劃

豊多磨イナリ

地球防衛計画

時代は22世紀、人類が地球から月に移住し始めてからもう100年近く経った。しかしながら、その計画は予想とは裏腹に大失敗、ほとんどの人が月に移住するだけのお金が無いか、或いは地球を離れたくないという愛郷の念からか月には移住せず、ごく一部の富裕層が数千人のみ移住した。

さて、何故人類月移住計画が持ち上がったのかというと、地球温暖化や動物の絶滅、森林の減少などでこのままでは地球が危ないとなったからであった。しかしながら、現在でも多くの人類が暮らす地球は地球史始まって以来の重大な危機が差し迫っている。森林の伐採、大気海洋汚染、動植物の絶滅によって生命が暮らすにはあまりに過酷な環境となっていた。この事実を心配に思った甲国の首相はある国際的な会議において驚愕の計画を秘密裏に進めていると発表した。それが「地球防衛計画」である。この計画には地球とその自然を永く守り続けるため、地球人類をすべて安楽死させるという内容があった。これにほぼすべての国や地域の首相らが反対したが、この会議の議長である乙帝国の丙氏が賛成し、この計画は今後も秘密裏に進められることとなった。そして、それから数年後全地球人類に対して月への移住を指示する緊急速報が届けられた。しかし、彼らは誰一人として動こうとしない。そして、今やコンピュータが内蔵されているすべての人類に安楽死するプログラムを送り、地球上の全人類は絶滅した。一方で、月へ移住した人類たちも月やその近傍の環境を悪化させていた。その為、違う惑星への移住計画も再度持ちかかっていた。しかし、甲国の首相はこのままでは太陽系やその周辺の環境にまで悪影響がでるのではないかと考えた。そこで、丙氏と結託し、宇宙の全人類に対し、安楽死プログラムを送ることにした。

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地球防衛計劃 豊多磨イナリ @satoshin_novel

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