ラストで死ぬ主人公に転生したけど死なないから〜スード編〜【完結】
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第1話
スード側近視点でユーリアシェの幼い頃からの話を書きました。
カーティスがちょっとヤンデレになっているので、苦手な方は閉じて下さい。
何でも来いな方、是非このまま下へ~(*・ω・)*_ _))ペコリンチョ
☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆
ユーリアシェ殿下と手紙をやり取りしていた若が定例会に出席する日が迫っていた。
「王都へ行く時にユリィのドレスも作っておかなきゃな。」
街に行き高級装飾店でドレスと装飾品を選んでいる。
サイズは王城にいるスードの間者から聞き出していたので、問題なかった。
今の王城はアラミス公爵家がかなりくい込んでいるが、王族の情報を地方領主に流すくらいは大目に見ているようだ。
「ユリィのあの深い神秘的な青い瞳を際立たせねぇとな!」
·····完全に浮かれている。
お持ち帰りする気満々だ。
兄として姫の心をガッツリ掴んでいたが、男として見られてないのに。
何を贈っても兄妹の情でしてくれていると思うだろう。
姫は鈍い訳では無い。
ただ公務や王城の国王一家の仕打ちのせいで、心に全く余裕がないのだ。
スードに数日滞在した時には視察とその合間に若ご兄弟と家族のように過ごしていた。
若は兄としていつも妹を可愛がるようにしていた。
·····いや、妹にするにしてはスキンシップが激しかった。
常に体のどこかに触れ、朝昼晩のハグとキス、座る時にもお膝抱っこをよくしていた。
フィルフェ様も可愛がっているが、同じ事をしたら拳が飛んでくるだろう。
姫は家族の愛に飢えており、家族の標準がわからないので、恥ずかしそうにしながらも全て受け入れていた。
若はそれをいい事にやりたい放題だった。
なんせ姫が10才まで添い寝していたのだ。
6才の療養中に朝一緒に寝ている二人を見た侍女が凍りついたのは言うまでもない。
何故そんな事になったのか聞いたら
「昨日皆で怖い話をしたでしょう。だから夜に兄様が心配てし来て下さったの。
私も一人で寝るのが怖かったから一緒に寝てくれたの。」
恥じらいながらモジモジして語る美幼女。
しかも
わたしの顔を見て聡い姫は更に顔を真っ赤にして俯いた。
「カーティス様が兄様と呼んでもいいって。
その、私を妹と思っているから·····」
申し訳なさそうに涙声で話す美幼女。
きっと涙を我慢しているだろう美幼女。
固まっているわたしの後ろから若が来て姫を抱き上げた。
姫は真っ赤な顔をほころばせ若を見ている。
「もういいだろう。ユリィが一人で怖がって可哀想だったんだ。
添い寝くらいでガタガタ言うな。」
こちらを睨んだ後姫に脂下がった顔で頬にキスして
「
と兄を強調して言いやがった。
姫は嬉しそうに笑顔で答えている。
二人が朝食をとりに去って行ってもわたしは動けずにいた。
「どうするんですか!姫、完全に丸め込まれてますよ!」
「弱みにつけ込んでしたい放題じゃないですか!」
「若の暴走を止めて下さい!」
「食べちゃいたいくらい可愛かった!」
「真っ赤な頬っぺをぺろぺろしたい!」
·····使用人達もおかしくなっている。
確かに可愛かった。
潤んだロイヤルブルーの瞳にふくふくした真っ赤な頬。
小さな赤い唇も震えて食べてくれと言わんばかりだ。
若は肉食獣のような目を姫には絶対に見せない。
姫には生まれた時から婚約者が居て初恋の人物もいるらしい。
今は兄ポジションを確立して油断させ、触れ合いに抵抗感をなくさせている。
それでも最後の一線は守るだろう。
「若とて姫に不埒な真似はせん。」
·····はずだ。
「あれだけ可愛いんですよ!」
「どんだけ若の理性を過大評価してんですか。」
「守役でしょう。いざとなったら体張って止めてくださいよ!」
「俺が添い寝してぇ」
最後に言ったアホはボディブローをくらって沈んだ。
それからも療養中はずっと添い寝をし、抱っこし、キスをしていた。
時々頬をあむあむもしていた。
当主夫妻も何も言わず、奥様まで頬をあむあむしている。
そして遠くから羨ましそうに見ている旦那様。
本物の娘にあむあむしたら号泣されていたからな。
療養最後の日には泣く姫を抱っこしてあやしていた。
今日姫は地面に足おろしてないんじゃないか?
別れの時には迎えに来た王城の者たちを射殺すような目で見ていた。
それは本邸で働く使用人も同じだった。
泣きながら馬車に乗り去って行った後、旦那様が四つん這いになり号泣した。
旦那様、涙脆いのに我慢してたもんなぁ。
いつも遠くから見て厳つい顔に涙を流す姿は悪いがちょっとしたホラーだった。
若は握りしめた拳から血が出ていた。
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