第71話
「なんだと・・・・・・」
ジョージが負けじと睨み返して言い返す!
「忘れたのか!友好国との契約を!」
「忘れてなどいない、だがその友好国は何処にあるんだ?」
フレッドは笑ってジョージに聞いた。
「そ、それは・・・・・・今はあれだがこの国の支援があればまた必ず復興させる」
「はっ、滅ぼした本人達がまた国を作るのか?」
「俺が滅ぼしたわけじゃない!あいつらが勝手に...」
「何故滅んだかもわかっていない奴らに誰が支援などするか、国が無いんだ。契約だって破棄に決まってるだろ」
「なんだと!約束と違う」
「何言ってる違わないだろ、国と国の契約だ。国がない時点でこちらから何かする事はない」
「そんな…じゃ、じゃあロレッタ、そうだロレッタだってもう契約破棄なら返してもらおう!それはコスリガ国から贈った物だ!返せ!」
ジョージはロレッタを奪おうと手を伸ばした。
ボキッ!
「ぐあッ!」
フレッドは手刀でジョージの腕を叩き落とした!
ジョージは痛みに苦悶の表情をうかべる。
「私のロレッタに触らないでもらおう…」
ロレッタはフレッドに叩く瞬間強く抱き寄せられて何がおきたのか一瞬わからなかった。
「フレッド様?」
「なんでもないよ。汚いハエをたたき落としただけだ」
フレッドはロレッタに声をかけると、ジョージを見下ろして不敵に笑いロレッタの髪を優しくすいた。
「ロレッタ、ここにいては不快しかないだろう。シドと部屋に戻っているんだ」
フレッドはシドに来いと目で合図を送る。
「いえ、これは私の問題でもあります。最後までここに居ます」
ロレッタはフレッドが守ろうと抱き寄せていた腕をそっと離して、フレッドの隣に立った。
「ロレッタ…わかった、嫌になったらすぐに言うんだよ」
「はい」
ロレッタは大丈夫だとフレッドに笑ってみせた。
「ロレッタがお前のだと…そんなわけない。その女は俺のだ!」
ジョージの顔をみると、正気を失っているのか興奮したように鼻息を荒くしていた。
「こちらが何も知らないと思っているのか?いいか、こちらの契約の条件はお前の婚約者を寄越せと言うものだったのを忘れたとは言わせないぞ。お前はその時ロレッタを捨てて後ろの女を婚約者にしたんだろ?」
「それは…」
ジョージはちらっとレミリアを見た。
ロレッタはフレッドの言葉に下を向く。
「この契約は最初からお前達の契約違反で無効なんだよ」
「そ、それは…ロレッタが…そうだ。ロレッタが自分から行くと…」
「ロレッタが?自らこの国に行くと言ったのか?」
フレッドがロレッタの方を見た。
「ロレッタ!そうだろ!お前が言ったんだよな!婚約者だったからって!」
ジョージはじっと圧力をかけるようにロレッタを見上げた。
ロレッタはジョージを見たあと、その後ろで睨むエミリアを見る。
「お姉様…言葉には気をつけて下さいませ」
レミリアはグッと拳に力を込めてロレッタに話しかける。
「私は…」
ロレッタが言葉に詰まるとフレッドがそっとロレッタの手を掴んだ。
そして優しく握りしめた。
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