第35話

フレッドはロレッタを刺激しないようにゆっくりと優しく服を脱がせていく…しかし生地が擦れるたびにロレッタは甘い声をあげた。


「大丈夫か?」


その度にフレッドは心配そうにロレッタの表情が苦しんでないか確認する。


「はい…すみません…」


ロレッタは声が我慢できない事を謝った。


「謝らないでくれ…ロレッタ。君の思うがまま感じるままに好きにしていいんだ。私は全部受け止める」


「ぜんぶ…?」


「ああ」


フレッド王子の笑顔にロレッタは安心するように深く息を吐いた。


「こんなみだらなわたしでも…きらいになりませんか…」


「なるもんか、むしろ好きなくらいだよ」


いつものように冗談ぽく言うフレッド王子の様子にロレッタもクスリと笑う。


「じゃあ…ください…フレッドさまを…だれでもないフレッドさまがほしいんです…わたしをはじめてうけいれてくれたかただから…」


ロレッタの言葉にフレッドは心が震えた。


媚薬に体の自由が奪われながらも、あの男を拒否して自分を選んでくれたロレッタに愛おしさが溢れ出す。


フレッドは腫れ物でも扱うように優しくロレッタの体を愛撫する。


ロレッタが声が出るのを我慢していると…その唇にそっとキスをする。


「誰も居ない、ここには君と私だけだ…好きなだけ声を出して…むしろ聞かせてくれ、君の声を…」


そう囁くとその唇を塞ぐ、そのまま舌を絡ませ合うと拙いながらもロレッタがそれに応えた。


「「はぁ…」」


唇を離すとお互いに吐息が漏れた…


フレッドは幸せそうなロレッタの顔を撫でるとそのまま手を下に滑らせる。


悶えるロレッタにクスッと笑みがこぼれた、いつもならそんな姿を見れば襲いかかりそうだが気持ちが通じあった今はとにかく優しくしたかった。


そのまま下半身に手が伸びるとヌルッと濡れている箇所に気がついた…


これが媚薬のせいかもと思うと面白くないが今は何よりもロレッタを優先する事にする。


「もう準備が出来てるな…」


「じゅんっ、びぃ…?」


ロレッタははぁはぁと息が荒くなる。


「ここがもう濡れてるよ…」


軽く触るとロレッタの体がびくんっ!と跳ねた。


「な、なんですか…いまの…」


「もしかして触っただけでいったのか?」


「わかりません…」


いつもならいくだけで気絶していたロレッタは自分の体の変化に怖くなる。


「フレッド…さま…」


自分の変化に怯えるロレッタは手を伸ばすとフレッドはしっかりと手を掴み大丈夫だと体を抱きしめてくれた。


フレッドの温もりにほっとする反面また体が疼き出す。


「んっ…」


フレッド王子に触れられるだけで体の奥からなにか込み上げてくるものがある。


「ゆっくり…いこう」


フレッドはロレッタをそっとベッドに横たえると真正面に座った。


そして服を脱ぐとそのままロレッタの下半身に自分の体を寄せた…


「痛かったら言うんだ…よ…」


フレッドはロレッタとひとつになるべくゆっくりと中に入る。


「はっ!うっ…」


ロレッタは下半身に痛みを覚えた。


「力を…抜いて…」


フレッド様から余裕のない声が聞こえてきた…ロレッタは痛みに全身に力を入れてしまう。


「大丈夫…私を信じて…」


目を開くとフレッド様の熱い瞳が自分を見つめていた…自分と同じように余裕の無さそうな表情にほっとして力を抜くと…


ズルッ…


「ハッ…」


お腹に圧迫感を感じる。


「ロレッタ…力を…抜いて、くれ…」


フレッドのきれ切れの声にロレッタは息を思いっきり吐いた!


「いい子だ…」


フレッドの優しい声と共に大きな手が頬を撫でた。


「少し動く…」


「えっ…」


入ってるだけで精一杯なのにフレッド様が動くと言う。


しかしゆっくり…ゆっくりと動くフレッドにロレッタは痛みの中に快感を感じた。


「んっ…ん」


「ロレッタ…愛してる…」


「フレッド…さま…わたし…も」


二人は見つめ合うとどちらともなく唇が触れ合った。


その瞬間ロレッタは意識が遠のくのを感じた…

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