PV稼ぎの美辞麗句

おしゃかしゃまま

プロローグ 貴族に転生した高校生WEB小説家の人生

第1話 ※この物語は虚構(ファンタジー)です。

※この物語は虚構(ファンタジー)です。実在の人物・思想・団体・出来事とは一切関係がなく、事実とは異なる内容が含まれています。











画鳴 慈活(かくなる じいく)にとって、今日は特別な一日となるはずだった。


高校生1年生の時から書いていたWEB小説。


有名な小説投稿サイトに掲載しても一作目は誰にも読んでもらえずに、書き終わった時の総PVは100以下だった。


しかし、2作目、3作目と書いているうちにPVは徐々に増えていった。


そして、大学の合格発表が行われる日。


ジイクの書いた小説が、総合ランキング日間111位になっていたのだ。


まだ、3話目を更新しただけだ。

それなのに、ランキング二桁台が目の前にある。


周りの小説は、ジイクも一度は目にしたことのあるタイトルもちらほらある。


そんなタイトルに、ジイクの小説も並んでいる。


親が用意してくれた朝食の味も分からずに食べ、ジイクは合格結果を見に家を出た。


気持ちは常に、スマホの検索画面。


111位の輝かしい文字。


志望校の張り出された番号に自分の受験番号はしっかりと書かれていたが、そんなモノよりも111位の方が何倍もうれしい。


歩きスマホはしないようにしていたが、帰りの駅のホームでニヤニヤとしながらスマホを眺めてしまうのはしょうがないだろう。


今日はジイクにとって、特別な日。


始まりの日。


投稿サイトのランキングを駆け上り、一位となって書籍化し、有名作家になる。


そんな夢が叶う日……だったのかもしれない。


「……え?」


ドンとジイクの背が押された。


(黒い……人?)


振り返ってみると、そこにいたのは黒い人のような物体だった。


駅のホームから線路に落ちながら、ジイクは音を聞く。


高速で迫る、巨大な金属の固まり。


電車が鳴らすブレーキの音。


当然、電車は止まることが出来なくて。


ジイクの視界は真っ赤に染まって、すぐに暗くなった。

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