LIVING BY NECK HUNTING EXTREME REBERION Ⅵ 狂神覚醒

SEN

LIVING BY NECK HUNTING EXTREME REBERION Ⅵ 狂神覚醒

LIVING BY NECK HUNTING EXTREME REBERION Ⅵ【狂神覚醒】

台本:SEN  声劇10人台本(男6・女4) 所要時間:50分






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※アドリブ等はストーリーを捻じ曲げない、雰囲気を壊さない程度であればOKです。








キャラクター紹介↓


ミアナ (女・23歳)

リヴィアを陥落させ世界最強と言われる女を倒し、世界平和に向けリヴィア大陸の覇者となり王女となる。ヘッドハンターズ世界大会を開催するなど戦争の無い世界を目指し外交なども常に行っている。


フラス(男・36歳)

リヴィア帝国七騎士団長の一人【義心】リヴィアを我が手にする為計画していた。ミアナ達によって阻止され殺されたはずだが…


ラウト(男・28歳)

リヴィア帝国七騎士団長の一人【蜥蜴】のラウト。ウサチの兄貴分で妹のように可愛がっている。ネイアによって殺されたはずだが…


ウサチ(女・27歳)

リヴィア帝国七騎士団長の一人【変激】のウサチ。ラウトを兄のように慕っている。ミアナに見逃してもらった後キギアによって殺されてしまったはずだが…


ロウガ(男・36歳)

リヴィア帝国七騎士団長の一人【頑槍】のロウガ。槍の使い手。元カイユの部下、兼弟子。フラスによって殺されたはずだが…


ユクロ(男・28歳)

リヴィア帝国七騎士団長の一人【畏怖】のユクロ。カイユとの死闘の末、首をもぎ取られ死んだはずだが…


イーア(女・26歳)

リヴィア帝国七騎士団長の一人【疑心】のイーア。ジャミ民族最後の一人。シマクが大好きで全ての世話をしていた。ネイアに殺されたはずだが…


チダイ(男・26歳)

リヴィア帝国七騎士団長の一人【楽撃】のチダイ。陽気でひょうひょうとし隠密行動が得意。ネイアに殺されたはずだが…


ラニス(男・35歳)

エンスの使い。痩せ細り力も無い。だが流れるような動きで相手の攻撃を返す。相手を怒らせるように冷静に話すが服を汚されるとキレる。相手の攻撃を利用し攻撃に転してくる。ミアナの慈愛により正気に戻り外界決戦への案内人となる。


アネミナ(女・23歳)

元オアス国女王。デスタの妻でありミアナとネイアの母親。リヴィアの卑劣な罠にかかりルエホジア決戦にて戦死したはずだが…





◆本編↓





ミアナ

「アネ…ミナ……母さんの名だわ…カイユが教えてくれた……父さんに聞いた」


ラニス

「知っているというのか!?アネミナは外界の人間だぞ?!」


チダイ

「…なんやて?ほなお嬢ちゃんも外の人間ってことになるなぁ?」


ミアナ

「っ!?私は…私──」


ユクロ

「その【アネミナ】の娘、なのだろう?そういうことになるね」


フラス

「……隠すつもりはない為に言っておく…ルエホジア奪還作戦にて私が命じ、殺したはずだがな。オアスの姫は」


ロウガ

「何だと!?……貴様っ…あの時どれだけ師匠や俺が!!あんな大型の獣まで呼びやがって」


フラス

「だが?こうして生きているんだ、フンッ…良かったじゃぁないか」


ロウガ

「くっ!」


ウサチ

「でもさ…よく考えたら変だよね」


ラウト

「ん?何がだ?ウサ」


ウサチ

「名前だよ、【アネミナ】って」


ラウト

「そうだな…四文字は神の名だよな」


チダイ

「ここでは、な?外は違うんやろ」


ユクロ

「常識さえ常識じゃない世界……ヤバいね、ワクワクする」


チダイ

「わてらが知ってるこの世界は狭すぎたっちゅうことやもんなぁ…楽しみが増えるな?」


ユクロ

「剣も色々あるんだろうなぁ…いや、剣で戦わないかもしれない……なんだろ…あー早く知りたいっ!!」



イーア

「おい…お前っ」


ラニス

「なに?」


イーア

「その…早く…シマク様の元に案内…しろ、イーアを連れていけ」


ラニス

「そうだったね…アネミナの事も気になるけどひとまず準備して向こうに合流しよう」



●間3拍



ロウガ

「くー…隊長に会えるのかぁぁぁ……師匠とまた戦えるっ…生きててよかったぜ!!ん?」


ミアナ

「生き返ってよかった、だね」


ロウガ

「ん?…あ、そうだな!……アネミナ様の事、気がかりだな…アイツが言うには明らかな敵意があると言っていたが絶対何かの間違いだ」


ミアナ

「うん…どういうことかわからないけど……母さんとは話したこともない…顔もわからないけど、あの父さんが愛した女性ですもの……きっと綺麗で、とても優しかったのでしょ?」


ロウガ

「あぁ…女神のような方だった」


ミアナ

「だからきっと大丈夫…今は父さん達と合流する方が先」


ロウガ

「そうだな、戦力は集中しないと意味をなさない。が、時に一人で戦わなければならないこともある、人は誰しも孤独と戦いながら生きている。支え合い戦うのは死ぬまで、死ぬ時は一人で戦え……ってね」


ミアナ

「……良い言葉ね」


ロウガ

「君の父親の言葉だよ、色々教えてくださった」


ミアナ

「そっか…ロウガは父さんの息子みたいなものね」


ロウガ

「あぁ、大切な人だ。もちろん師匠もだ」


ミアナ

「うん、カイユもね」


ラニス

「さて皆さん、敵を討つ為に準備を…いつ戦闘になるかわかりません。武器の手入れをお忘れなきようお願いします。準備ができしだいリヴィアを発ちますので城門にて落ち合いましょう」


ミアナ

「わかったわ」


ロウガ

「俺はお前と居よう、準備は…この槍さえあれば十分だからな」


◆SE槍構える


ミアナ

「その槍ずっと大事にしてるね」


ロウガ

「師匠が俺にプレゼントしてくれたんだ!良い槍だからお前が持ってろってな」


ユクロ

「その槍ずっと前から気になってたんです」


ロウガ

「わっ!?びっくりした…ユクロか…お前はいいのか?準備」


ユクロ

「えぇ……少し見せてもらってもよろしいですか?」


ロウガ

「あぁ」


ユクロ

「ありがとうございます……ふむふむ……やはりこれは」


ミアナ

「良い槍なの?」


ユクロ

「良い槍……何てものじゃありませんよ…名槍ギズテイナ……別名、神の投擲槍。」


ロウガ

「投擲槍……ギズテイナ…そうなのか」


ユクロ

「チダイの鞭と同じ材質でできていますがチダイの鞭はおそらく偽物。これこそ本物ですよ…これをどこで?」


ロウガ

「師匠から授かったんだ…師匠の命を救った時、俺に槍使いの素質があると言ってな」


ユクロ

「そうですか…さぞかし良い師匠なんでしょうね」


ロウガ

「あぁ!カイユさんは俺の兄貴みたいなもんだからな!」


ユクロ

「え……カイ…ユ?」


ロウガ

「あぁ、ん?どうかしたか?」


ユクロ

「……いえ…何も……嫌な事を思い出し今すぐにこの槍をへし折りたくなりましたがここは許しておきましょう、お返しします。…私も準備をしてきますね」


ロウガ

「お、おう!あとで城門だぞ」


ユクロ

「わかっていますよ」


ミアナ

「私も支度する、ロウガ…心強いわ…ありがとう」


ロウガ

「リヴィア王を護るのが今のこの俺、七騎士団長ロウガですから」


ミアナ

「ありがとう」



●間3拍



ウサチ

「どうしようかなぁ…うーん」


イーア

「どうした?ウサ」


ウサチ

「あ、イーア!これと・・・これ!どっちがいいと思う~?」


イーア

「あー……あのさ?ウサ……戦うんだよね?」


ウサチ

「うん!外界のやつらなんてぼっこぼこよ!」


イーア

「ドレスはいらないと思うよ?」


ウサチ

「えー!?なんで!?」


イーア

「戦争だよ?外交するんじゃないよ?」


ウサチ

「もしもだよ?もしも話し合いで何とかなる人達だったらさ?一人ぐらいまともな人がいないとだめじゃん?」


イーア

「う、うん」


ウサチ

「じゃぁ………私かなっっつって!」


イーア

「……」


ウサチ

「何か言ってよ」


イーア

「なるほどって思ってた…さすがウサ、頭良い」


ウサチ

「でっしょー?よぅしじゃぁこれに決まり!」


イーア

「イーアも準備してくる…シマク様にもらったメイド服…着ていかなきゃ」


ウサチ

「あっれ可愛いよねぇ!?絶対王子イーアの事好きだと思うんだよな~」


イーア

「そ、そんなこと…無いと思う」


ウサチ

「なんで~?」


イーア

「あの人は常に自分の夢を追い続ける人だから…私はそれを見てるだけでいい」


ウサチ

「そっかー……けなげだねぇぇ」


◆SE歩く


ラウト

「おーい、お前ら準備は終わったのか~?って・・・何だその格好は」


ウサチ

「みてみてー!私達これで行こうと思うんだー!!へっへっへ~いいでしょ~」


ラウト

「却下」


ウサチ・イーア

「ガーン」


ウサチ

「なんで!?一人ぐらいまともな人が居たっていいんじゃない!?外交できる人がさ?」


ラウト

「ウサが?まともで?外交?」


イーア

「可愛いから…良いと思う」


ラウト

「(鼻で笑う)」


ウサチ

「え、え、え?今鼻で笑ったよねぇ!?そいつぁさすがにウサもオコ案件ですよ!?」


イーア

「ウサのお兄さん…酷いね」


ラウト

「遊んでる暇はないんだ、二人とも早く鎧に着替えてこい」


ウサチ

「へぃへぃわかりましたよぅ」


イーア

「けちんぼだね…ウサのお兄さん」



ラウトN

こいつらは軽視している、外のやつらを甘く見ている……いざというときは、俺が護らねぇとな。ラウト、覚悟を決めろよ



ウサチ

「ラウ兄は準備終わったの?」


ラウト

「いや……まだ忘れ物あったわ…準備して行っから、先行ってろよ?」


イーア

「ウサお、けちんぼ」


ラウト

「誰がウサおだ、いいから早く行け」



●間3拍



フラス

「外界…か」


ラニス

「おやおや、貴方ともあろうお方が何を思いふけっているのですか?」


フラス

「貴様か、関係ない」


ラニス

「貴方の剣技、実に見事でした。間違いなくその剣先は敵に届く」


フラス

「皮肉か?貴様には届かなかったではないか。それでは意味がない」


ラニス

「僕は回避に特化しているだけです。それ以外何もない…剣さえ握れないのだから」


フラス

「何かを極めんとする者はそれを利用し動けばいい」


ラニス

「…なるほど」


フラス

「私の祖父がいつも言っていた」


ラニス

「その居合を教わったのも?」


フラス

「あぁ…厳しい方だったがおかげで極められた……いや……極めさせられたよ」


ラニス

「嫌々ですか?強くなりたいと思うことは至極当然のことだと僕は思います」


フラス

「そうか……一つ聞いてもいいか」


ラニス

「どうぞ?」


フラス

「ラニアガスの種を俺は食った」


ラニス

「えぇ、存じています」


フラス

「効力は切れたのか?あの時の湧き上がる力、狂気……全く感じられん」


ラニス

「切れていません…恐らく、眠っている」


フラス

「眠っているのか・・・また使えるようになるのか?」


ラニス

「それは……どうでしょう…私のは試作段階の種だったので何とも言えないですが…失敗作の種は悪の塊…種に意志があるのではと思う程の執着心でその身体を使います。ただ、眠っている力を使えるぐらい身体に順応させないといけない」


フラス

「……まだ早いというわけか…俺は食ってすぐに殺されたからな」


ラニス

「カイユ、でしたっけ…ラニアガスの種の力を押さえつけた馬鹿力」


フラス

「フンッ…アイツこそ種を超え人の形をした化け物だったよ」


ラニス

「楽しそうですね」


フラス

「またヤツと戦えると思うと……確かに楽しいな…ただの腐れ縁だけどな」


ラニス

「フフッ…先に外界の連中からお願いしますよ?」


フラス

「勿論だ」



●間3拍



チダイ

「さぁて俺はどないしよっかなぁ…この鞭は勿論持ってくやろ~?外の敵に効くかわからんけどもやっぱ毒やなぁ…でも俺が作る毒は諸刃の刃やからなぁ…どうしたもんかなぁ…」


ユクロ

「準備は終わったのか」


チダイ

「おー!ええとこに来てくれたユクロはん」


ユクロ

「相変わらず決めきれないんだろ?まったく世話がかかる」


チダイ

「せやねん~毒もええけどもういっちょ強力な武器無かったかなー思てな~」


ユクロ

「毒は液体だろ?鞭につければ距離も取れるしこちらの吸い込みも少なくなる」


チダイ

「それはわかってんねんけどな~?わて近距離苦手やろ~?それを何とか補えんかな思ってな」


ユクロ

「確かにお前は接近されたら畑のカカシだもんな」


チダイ

「ええ仕事するやんカカシ~鳥追い払いまっせ?」


ユクロ

「俺が敵ならその間にブスリだ」


チダイ

「容赦ないな?・・・ハッ!?妙案浮かんだわ!」


ユクロ

「お、なんだ?」


チダイ

「そのブスリいこうとした箇所に鉄板仕込んどいたら二段構えでええ感じやん!?」


ユクロ

「それ以外の箇所にブスリと来たら?」


チダイ

「え…痛い」


ユクロ

「痛いで済めばいいけどね・・・まぁ死ぬよね」


チダイ

「じゃぁじゃぁ!?胴全て鉄板にするわ!」


ユクロ

「最初から動けなくなるカカシになるけどいい?」


チダイ

「え、あかん」


ユクロ

「だろ?接近戦は諦めろ」


チダイ

「えぇ~?近づかれたら終わりやんかー」


ユクロ

「近づかせなければいいんだよ、いつものお前だ」


チダイ

「あ、ほんまや」


ユクロ

「馬鹿やってないで行くぞ?」


チダイ

「あー待って待って!ありったけの調合薬持ってくから!!」


ユクロ

「はいはい、先行ってる」




●間3拍




ラニス

「来ましたね」


チダイ

「ごめんな~ユクロはんが行かへん言うてごねるもんやから説得すんのに時間つこて」


ユクロ

「一番に死ね」


チダイ

「ひどっっ…てかそんなんフラグなるからやめてくれます?」


ミアナ

「これで揃ったね」


ラニス

「悪い知らせがある…船着き場まで歩きつつ話そう」


ミアナ

「えぇ」


◆SE歩く


ラニス

「もうすぐ外界との壁が消える。そしてアネミナのこちらへの殺気が消えた…いつどんな襲撃が起こるかわからない。皆警戒するように」


ラウト

「あぁ」


ロウガ

「大将はミアナだ、俺がミアナを護る」


ウサチ

「は~?全員で護るの間違いじゃねぇの~?」


ロウガ

「なっ!?」


イーア

「そうだそうだー」


ロウガ

「……(咳払い)ミアナは全員で護るっ!以上!」


ミアナ

「フフッ」


フラス

「緊張感を持て貴様等」


チダイ

「そんなかたっ苦しい顔してたらカカシにされまっせ?」


ユクロ

「お前まだ根に持ってんの?」



●間5拍



ウサチ

「ようやく港が見えてきたね~リヴィアの城下町やっぱでっかいなー」


ラウト

「この大通りをまっすぐいけば近いな」


フラス

「……」


ユクロ

「想像の遥か上を来るんだろうなぁ…楽しみだなぁ……」


チダイ

「ほんっま歴史オタクとだけは友達なれんわ~」


ミアナ

「…」


ロウガ

「お前はそんな恰好で本当にいいのか?」


イーア

「メイド服のこと?シマク様に会うんだから正装しないと」


ラニス

「…」


フラス

「歩きつつ話すぞ……気づいたか?」


ラニス

「えぇ勿論……ミアナさん」


ミアナ

「私にもわかる…いえ、わかってしまうの」


フラス

「殺気か、血の繋がった何かか・・・お前は止まるな、先に行け」


ミアナ

「でも!…あれは…私の…」


フラス

「あの敵意、殺気は狂人のそれだ…わかっているはずだ」


ミアナ

「……任せるわ」


ラニス

「私とフラスさん…あとはチダイさんユクロさんってところでしょうか」


フラス

「人選は任せる…いいか?ミアナ王」


ミアナ

「えぇ………ラウト、ウサチ、イーア、ロウガ…立ち止まらず私に付いてきて」


ラウト

「ん?…おぅ」


ウサチ

「わかった」


イーア

「承知」


ロウガ

「空気が変わった…何か起こるのか?ミアナ」


ミアナ

「うん……信じたくはない、信じたくはないけど」



●間5拍



フラス

「悪いな、チダイ、ユクロ」


チダイ

「え待って?なんでここでわてらは止まるん?」


ユクロ

「はぁ……嫌な予感しかしないよね」


ラニス

「ご登場だよ」


チダイ

「は?」




◆SE足音近づく



アネミナ

「ようやく追いつけました…皆さんお早いので置いていかれるのかと思いました」


チダイ

「え?・・・・・・おおぉっ!?絶世の美女やん!!?え…?ご褒美くれる為に俺をここに残してくれたん!?お前たち神かよ!?」


ユクロ

「……逆だよ逆…ジョーカーを引いたんだよ僕たちは」


フラス

「・・・・・・アネミナ」


チダイ

「げっ!!?」


アネミナ

「げ?…ウフフッ存じていてくれて本当に嬉しいです」


ラニス

「お早いご到着ですね?少し前まで国境の街ラリム付近に居たはずですが?」


アネミナ

「まぁ…場所まで把握されているなんて凄いですね?走ってまいりましたのよ?」


チダイ

「こ、こ、こいつがその…」


ユクロ

「そうみたいだね」


アネミナ

「失礼しました、自己紹介がまだでした。私はアネミナ。オアス・フィム・メヒリアム・アネミナ。オアス王国第一継承者王女だった者です」


フラス

「だった者?」


アネミナ

「今は名前が違います。改めて……アネミナ・ゲイノッシュタルド・ノーゼンガースと申します」


ラニス

「……やはり外界の魔女の名を持つか」


ユクロ

「エンス以外にもやはりいるのか…魔女は」


ラニス

「外から壁を破る為に幾度も攻撃していたのだろう…だがエンス様の生命を使った魔力の壁はそう簡単には破れなかった。強力な魔力で戦士を護り一点突破させる方法だろう」


アネミナ

「そして送り込めたのが…外の思想を洗脳された女の子の赤ん坊……魔力の壁がなくなった時全て思い出すように洗脳された私でした」


フラス

「それを育てたのがオアス国国王ルゴアだな」


アネミナ

「お早いご理解ありがとうございます…お母様は子供ができないご病気でしたのでルゴアお父様が海岸で私を拾った時は神様がくださったとお喜びになってくださいました」


ラニス

「そのルゴア王はどこにいった…リヴィアでミアナと共に戦ったはずだ、蘇り共に戦ってくれる───」


アネミナ

「先程殺しました」


ラニス

「っ…」


フラス

「…ゲスが」


アネミナ

「あなたに言われたくはないです」


チダイ

「待って待ってここにわては不釣り合いやてほんま帰りたい」


ユクロ

「何か作戦があっての事だろう…お前は距離を取れ…気を抜くなよ」


チダイ

「わかった…逃げる準備もするわな?」


ユクロ

「俺たちに何かできるとは思わない、だが何もできないとも思わない」


チダイ

「いやいやいやもぅ殺気の値がちゃうことぐらいわかるやろて!アレはあかんやつやで!?」


ユクロ

「わかってるよ…手足が震えてるぐらいだ」


チダイ

「やろ?あんな殺気感じたこともない…それにアイツだけやないやろ」


ユクロ

「あぁ…他にも二人、気配を消してこちらを伺っている」


アネミナ

「へぇ?よくお解りですねぇ?そこのお二方」


フラス

「……物陰からこちらを伺うだけとは情けない」


ラニス

「堂々と姿を現したらどうですか?貴女みたいに」


アネミナ

「ダメよ?そう簡単にあのお方達には会わせない。四大天様達は貴方達を試しに参られたのです」


ラニス

「…四大天」


アネミナ

「様をお付けなさい」


チダイ

「誰?」


ユクロ

「四人の大天使の意味か?しかしそれこそおとぎ話でしか聞いたことがない」


アネミナ

「我が君主がそう名付けられたのです」


フラス

「君主の名は?」


アネミナ

「あのお方の名を簡単に口にだしてはいけない」


ラニス

「獄王、レセミスだな?」


アネミナ

「っ!!!?」


◆抜刀→空を斬る


ラニス

「僕には当たらないよ」


アネミナ

「何故貴様が知っている…我が君主の名をその下劣な口から発するな」


ラニス

「僕の恩人がお世話になったんでねぇ…借りを返したいのですよ」


アネミナ

「貴様のような下等な人間なぞ知らない会うことさえままならない近づき息をすることさえ叶わない」


フラス

「…酷い言われようだな……私を知っているか?アネミナ姫」


アネミナ

「いいえ?知りません」


フラス

「貴様を殺すように命じたリヴィアの指揮官だ」


アネミナ

「…」


フラス

「怒っていたなぁ?ロウガと大盾は醜く吠えていたよ」


アネミナ

「そうですか」


チダイ

「興味あらへんみたいやな」


ラニス

「今までの記憶が消えた訳ではないのだろう?」


アネミナ

「えぇ、覚えていますとも?デスタの事も娘の事も、忘れたことは無い」


ユクロ

「そんなことよりも?君主か?」


アネミナ

「我が君こそ絶対です、そろそろ要件を言っても構いませんか?」


フラス

「こちらも要件……いや、願いがある」


★同時

アネミナ「降伏せよ」

フラス「撤退しろ」



●間5拍



イーア

「ユクロ達、大丈夫かな…少し心配」


ウサチ

「大丈夫だよ!フラスも居るし!」


ラウト

「しかし、待っていて来ると思うか?」


ロウガ

「……」


ミアナ

「…やっぱり私戻る」


ロウガ

「だめだ」


ミアナ

「何故止めるのロウガ」


ロウガ

「アイツらは覚悟を決めて俺達を送り出した、その信念の槍を折ってはいけない」


ミアナ

「でも…母さんが」


ラウト

「あの殺意、感じなかったわけじゃないだろ?あれはお前だけにじゃない、全員に向けられていたよ」


ウサチ

「怖かった…けどフラス達なら大丈夫だと思ったから私は安心したよ」


ミアナ

「それは…【逃げ】ではないのかな…人に任せて私だけ逃げてる…」


イーア

「…違うよ、戦う意思…私も残りたかったもの」


ミアナ

「じゃあ今からでも──」


ロウガ

「いい加減にしろっ!!!」


ミアナ

「…」


ロウガ

「……すまない…正直言うと俺も一緒に残って戦いたかった、だがな、ミアナ…俺は、俺はな…お前に今のアネミナ様に会わせたくない」


ミアナ

「……違いすぎるからでしょ」


ロウガ

「……あぁ…あんな殺気を放つ方では決して…無い」


ミアナ

「…ありがとロウガ……母親だからって、固執しすぎていたのかもしれない」


ウサチ

「そんなことないよっ!!!」


ラウト

「ウサ?」


ウサチ

「ミアナにとってたった一人の母親だもん!!!会ったことも無いから会いたいんじゃん!!!ロウガのわからず屋!!!」


ミアナ

「…ウサチ……ありがとね」


ロウガ

「……男共の中で育った俺にはわからん話だよ、元々家族なんて生まれた時から存在しなかった」


ラウト

「胸中お察しするよ…俺も似たようなもんだ」


ロウガ

「お前達とはまともに話したことがなかったな、まさかあの子に怒られるとはな」


ラウト

「アイツも似たようなもんだが格が違う…家族を何回も亡くしている」


ミアナ

「ありがとウサチ…貴女も辛いのにね…だめね私」


ウサチ

「ううん…血の繋がったたった一人の母親だもの、今から会いに行こう?私もついてくからさ!」


ミアナ

「いいの、もう後ろは見ない…今は本当の敵を見ないとだめだから」


アネミナ

「その敵が私、ということもあるのよ?ミアナ」


全員

「っ!!?」


ロウガ

「アネミナ姫!!?何故っ…ここに」


アネミナ

「あっちは四大天様が御相手するそうです…ですので追いかけてきました」


ロウガ

「くっ!!」


◆SE抜槍


ミアナ

「貴女が……母さん?」


アネミナ

「えぇそうよ…ミアナ、大きくなりましたね」


ミアナ

「ぅん……大きくなったよ…辛いこといっぱいあったけど…頑張ったよ」


アネミナ

「本当によく頑張りましたね…でももう大丈夫、私と共に君主様の元に参りましょう」


ロウガ

「そうはさせない…私の名は覚えておられるか姫?貴女は本当にアネミナ姫なのか?!」


アネミナ

「覚えていますとも…ロウガ…ストーム騎士団は本当によくやってくれました。オアスが戦えたのもあなた方のおかげだったでしょう」


ロウガ

「……姫様だ…間違いない……だが何故…何故だっ!?何故外界の者に手を貸すのです!?」


アネミナ

「あなた方こそ…何故抵抗するのですか?」


イーア

「な…なぜ?……奪われたくないから?」


ウサチ

「失いたくないからだよ…私たちが生きてきた世界を」


アネミナ

「勘違いです…私たちは奪おう等とは思ってはいませんよ?」


ラウト

「なんだと…じゃあ何しに来たっていうんだ?おい」


アネミナ

「共存です」


イーア

「きょう…ぞん」


アネミナ

「我が君はとてもお優しい方です、あなた方の世界が知りたいだけで奪おうとは思っていない…ただ統一しこのゲイノッシュタルドを戦いの無い平和な世界にしたいのです」


ラウト

「ゲイノ…何だって?」


ミアナ

「私と一緒の考え……争いが起こるからこそ統一し平和を求めている…会ってみたい…その方と」


アネミナ

「さすが我が娘……というよりさすが外界の血を受け継ぐ者です。半純血なのは汚点ですが」


ロウガ

「あ?今、何と言った?」


ラウト

「半純血なのは…汚点?この世界の人間と外界の人間により交わりできた子が、汚点と言いたい、のか?」


ミアナ

「え……母さん」


アネミナ

「記憶が無かったとはいえこちらの人間と交わってできた子供なのですから仕方の無いことなのです」


ミアナ

「ねぇ…それ…父さんのこと?ねぇ母さん…デスタのこと?」


アネミナ

「えぇ……汚らわしい」


ミアナ

「うっ………うぅぅ…母さんっ…うぐっ……うぅっ!!」


◆SE拳を握りしめる


ロウガ

「…デスタ隊長を愚弄したな?…ついに本性現したな?」


アネミナ

「本性も何も無いです、思っていることですよ?この残された閉鎖世界の人間は陰湿で根暗…我らに到底及ばぬ下等生物、だと」


ラウト

「黙って聞いてりゃ好き勝手言ってくれんなぁ?俺たちはずっとこの世界で生きてきた、貴様達は貴様達の世界で生きていればいいんだよ!」


アネミナ

「我が君はそれを良しとはしません…全世界を力でねじ伏せ統一し覇王となる……ここがその最後の大陸」


イーア

「最後じゃない…もう一つある」


アネミナ

「エフナ大陸は我が君自ら向かわれています…圧倒的武力で制圧されるでしょ」


イーア

「向こうにはシマク様がいる…絶対負けない、シマク様は」


アネミナ

「海と水滴の戦いに興味はありませんの」


ウサチ

「……あなた…本当にミアナちゃんのお母さん?」


アネミナ

「えぇ…だからミアナをどうしようと私の自由よ」


ミアナ

「母さん」


アネミナ

「なぁに?ミアナ」


ミアナ

「私達は…屈しない」


アネミナ

「…」


ミアナ

「外の世界がどんな世界かなんて知らない…だから私たちは私達のやり方でこの世界を護る。敵が…例え母親であろうとも」


アネミナ

「……」


ロウガ

「……よく言ったミアナ」


ミアナ

「母さん…いえ、アネミナ……貴方達の君主に伝えてほしい事があるの」





●間5拍



フラス

「……チッ」


ラニス

「大丈夫ですか?フラス」


フラス

「あぁ…かすり傷だ……しかし…剣風のみで全員を吹き飛ばすとはな……恐れ入った」


ユクロ

「……おぃ…生きてるか……チダイ…」


チダイ

「…何…とか……何が起こったかわからへんねんけど」


ユクロ

「剣風だ…巻き込まれただけでこれだ……まともに受けたら即死だろうな……」


チダイ

「もぅあかんやん……勝たれへんってあんなん…化け物やん…まだベヒンモスのが可愛いわ」


ユクロ

「同感だ」


ラニス

「ここでヤツを倒しミアナ達に早く追いつかないと…あのメンツにアネミナは止めれない」


フラス

「私が一人でやろう」


チダイ

「さっすがフラスはんやなぁ…頼りになるわぁ……言いたいとこやけどいくらなんでもフラス……お前でも勝てんぞあれは」


フラス

「……フッ…どうだろうな?」


ユクロ

「策があるように見えるね、いつもの悪いこと考える時の顔だ」


ラニス

「……あれをもぅ使うのか?」


フラス

「それしかない……そうでもしないと勝てそうにもない…ヤツのたった一振りで力の差が解ってしまったんだ…手が震えている」


チダイ

「フラスはん……なんや知らんけど、せっかく拾た命は大事にせなあかんで」


フラス

「フフッ…貴様に言われるとはな……早く行け」


ラニス

「無茶だけはするなよ…意識してしっかり押さえ込むんだ…種に心を支配されるな」


フラス

「わかっている」


ユクロ

「ここは頼んだ…フラス」


チダイ

「しっかり叩き込んだれよ?お前さんの剣」


フラス

「あぁ」


◆SE走って去る


フラス

「さぁ……邪魔者はいなくなった。サシでやろうか?四大天【暴君】ジハルドさんよ………私の中で眠っているラニアガスの種よ、我に力を…」


◆SE剣構える




●間5拍





アネミナ

「聞くだけ聞きましょう…何を伝えるというのですか?」


ミアナ

「……私達の世界と、貴方達の外界で…ヘッドハンターズをしましょう」


アネミナ

「…」


ミアナ

「私達の世界を賭けて……外界決戦を」




続く





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LIVING BY NECK HUNTING EXTREME REBERION Ⅵ 狂神覚醒 SEN @sensensenkou

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