死の付添人

冬川雹

自殺付添人と自殺したい少女。

 君はもう知っていると思うけど、僕は昔さ、自殺付添人という仕事をしていたんだ。それで様々な人の自殺に付き添ったんだけど、特に記憶に残っているのは、ある一人の少女だったんだ。


 ユイ——それが、少女の名前だった。涼しげな目をした楚々な印象の女子高校生だったよ。


 そんな彼女に僕は同情に近い感情を抱いていた。それは自殺付添人として、あるまじき行為なんだよ。それでも僕はさ、彼女に自殺なんて、してほしくなかった。生きて、幸せになってもらいたかったんだよ。


 きっとこんなことを思うのは僕とユイがよく似ていたからだ。もちろん、外見じゃなくて内面がね。

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