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Z「応募する賞だけになおさら無理ですね」
A「でも、もう今さら話の大筋は変わらないですよね。仮にアイデアがかぶっているものがあっても堂々としていればいい。なぜならば、真似をしたのではなく偶然、アイデアが似ていただけだから」
Z「ダメですよ。そのロジックは通用しません。わかるでしょう。やっぱり、心理的には言葉悪いですけど“パクられた”になっちゃうんですって、私たちは」
A「でも、パクってないですよ。パクりようがない」
Z「それでもです。“あぁ私のアイデアを盗んだことをごまかすためにエッセイみたいなことを書いて無実をアピールしているんだな、手の込んだことしやがって”くらいの妄想に陥りますって。結果が出ていないアマチュア応募者ならばなおさら」
A「そういう筋でプロットつくってくださいよ」
Z「プロット組んだら書いてもらえます?」
A「謹んでお断りします」
Z「たまには書いてみたらいいのに。そうしたらこっちの苦労も少しは(以下、略)」
A「たまにはプロットつくればいいのに、そしたらこっちの苦労も(以下同文)」
Z「話し戻しますけど、もし似た作品を読んでしまったら、ゼロから書きたくなるはずです」
A「向こうのほうが先に書き上げたんだから優先権があると? 根幹となるアイデアを思いついたのはこっちが先かもしれないのに?」
Z「そういうことでもないんです。こっちよりも面白いと感じてしまったら、絶対に似たものは応募できないです。こっちにはまだ別のアイデアがあるんだぞ、まだ四週間もあるとムキになるはずです。そして、原稿ができずに応募もできない。これでいいならいいですけど、そうではないでしょう」
A「勝手なことは百も承知ですが、腹は立つかな。アイデアをうまく料理されていても、下手に使われていても」
Z「“あーこんなふうに使うんだ、やられたな”は悔しくて腹が立つし、“このアイデアを雑に使いやがって”も嫌ってことですね。これは古典的なトリックや発想、構造・仕掛けをアレンジした作品に触れたときによく味わうのでわかりますよ。テレビドラマだから、わかりやすさを重視してああなったのだろうけれど、さすがに元ネタへの敬意がなさすぎないか、とか。優れた元ネタのほうを知らずに後から出た雑なほうに先に知ると、元ネタに出会ったときも“なんだ、あれのパクリじゃん”ってなっていそうで嫌なんです」
A「『そして誰もいなくなった』は××のパクリだ、みたいな言い方されているのを見ると、おいおい逆逆とはなりますな、確かに」
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A「ときに推敲は進んでいるでしょうか? カクヨムの更新が滞りないだけにサボっていないか心配です」
Z「先日、BSでクリスティの番組をやっていたんですが、ご覧になりましたか」
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