第七話

 独り暮らしをしているSさんは、あるとき、違和感に気づいた。


 それは自宅にいると、どこからともなく、女のすすり泣く声が聞こえてくるのだ。


 


 どこから声がするのかしばらく調べまわった結果、『洗濯機を回しているとき』に、泣き声がすることに気づいた。なので、古い洗濯機からする異音ということで、Sさんのなかでは解決していた。


 


 ある日、友人と夜遅くまで飲み明かした。


 そして、後日、SNSでやり取りをしたときのこと。


 


「おまえの彼女、結構いい人だな。あんなにお前のことを気遣ってくれるなんて」


「でもさ、いくら酔っぱらっていたからって、洗濯機をばっかみて、空返事しかしないのはよくないと思うぜ」


 Sさんは独り暮らしで、彼女はいない。


 


「いまのとこ、これ以上の進展はない・・・と思うけどなあ・・・」とSさんは語った。


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