第5.5話 約束を見守るモノタチ
第5.5話
一花&双葉&◎☓△!?□★side
「あ〜あ、かえしちゃった…」
『しょうがないじゃないか、一花。人間には人間の営みがある。それに、今の私達は彼の従者、謂わば奴隷だ。彼に強制する事自体が愚行だからね。』
【デモ、サミシイ。】
彼女達は神社の本殿で誰かのお供物であるお酒を呑みながら、そう語っていた。
一花の見た目はまんま幼女なので、傍から見れば凄い犯罪な光景なのだが…
…まぁ、基本的に誰にも見えないのでセーフである。
「おにいちゃん、やくそくおもいだせるのかな?」
『こればかりは私達も彼を手助けする事は出来ないからね。彼自身の努力で思い出して貰う他ないんだよ。だが、このままでは…』
【ツルギ、シンジャウ♪ウレシイ♪】
と、名前が解読不能が歓喜し始める。
それに呼応するかの様に、周囲が闇で覆われ始め、中から触手の様な物が蠢き鼓動していく。
「もう、だめだよ!それ、きんしっていったじゃん!」
『それに本音を隠したまえ。確かにそれは私達共通の想いだ。早く死んでくれる事に越した事はないよ。でもね…』
『約束は約束だ、必ず守る物だよ』と、双葉は諌める。
その言葉に意味不明はションボリとした顔を見せ…
【セッカチ、ゴメン。ヤクソク、マモル。】
「あやまれるのえらい!」
『ああ、それでいい。それに、今は全力であのストーカー系後輩が彼を死なせないだろう。全く、あの女も大概歪んでいる…』
「かわいそう…」
【ワタシ、キライ!スエノツギニキライ!】
と、未來に憐れみと嫌悪の感情を向ける彼女達。
『まぁ、だからこそなのかな?あの後輩は例外になったのだろうね。彼女は天然であの歪みなのだから。』
そう締め括り、双葉は虚空を見つめながら…
『頑張りたまえよ、劔君。早くしないと、君は…』
『自分で自分を殺してしまう。』
続く
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