第3話 後輩は知っている
第3話
結局、二人してサボってしまった…
「乗った俺もアレなんだけどさ、サボって大丈夫なのか?」
「はは、大丈夫ですよ。私も劔先輩も大丈夫な日を選んでサボってますから…」
「ふ〜ん、そうなのか…」
そんな事に頭使うの勿体ない気はするが、詮無き事か…
「さて、何するよ?」
「何時もの様にゲーセンへGO!ですよ、劔先輩!」
「またか…ふっ、乗った!」
と、俺達はノリノリでゲーセンへと向かう。
「マリカーで勝った方がジュース奢りですからね!」
「おう!後輩だからって容赦なく奢らせるからな!」
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結論から言おう…
「ま、負けた…」
「はい、私の勝ち!劔先輩の負け!や〜い、クソ雑魚ナメクジ♪よわよわ先輩♪こんなか弱くてキュートで美人で食べ頃な後輩に惨敗して恥ずかしくないんですかぁ?」
う、うぜぇ…
でも、何も言い返せない。
敗者に口無しなのだ。
いや、少しだけ言ってやる。
「未來、これで終わりと思うなよ!勝った者は負けた者の怨念を背負い続ける運命だ、必ずやその
「何という負け惜しみ…でも、私はそれを背負って戦い続けます。何度も、何度でも貴方に勝ち続ける為にね!」
…何をしているのだろうか、俺達は?
少しして頭が冷えた俺達は、買ったジュースを飲みながら休憩していた。
「ノリって怖いな…」
「ですね…」
ていうか、何で俺は某異次元人みたいな事を言ったのだろうか?
「似てるからじゃないですか?」
「何処が!?」
しつこいってか!?悪意の塊ってか!?
「それはそれとして、劔先輩。」
「おい、話の展開が急すぎるわ。」
シグナルマガールかよ…
「そうです、私は急に曲がる女です。って、話を逸らさないでください!」
「いや、それ俺の台詞ぅ…」
「文句はめっ、ですからね。…はぁ、此処から先はシリアスモードなので、気を引き締めてくださいね。」
「…ああ、
何時もは巫山戯た様な顔のコイツが、真剣な顔をしていた。
一体何を話すつもりかは知らないが、真面目に聞くとするか…
「劔先輩、貴方は女性恐怖症ですよね?」
「あ、ああ。何故かお前は大丈夫なんだけどな…」
未だに理由は
「理由、教えてくれませんか?」
「それは…」
ぶっちゃけると、本当の事は母さんにしか話していない。
先無は妹やコイツとも仲が良かった。
俺が悪いのに、そのせいで変な迷惑を掛けたくなかったからだ…
「すまん、話せないんだ…」
「でしょうね。まぁ、劔先輩が先無さんに振られた上に拒絶されたからなのは知ってますし、本人にちゃんと確認したかっただけなんですけど。」
「はぁ!?何故、知ってるんだ!?」
「私、現場をこっそり見てましたから…」
あ、悪趣味な…
「知ってるなら聞くなよ、質が悪いなぁ…。後さ、この事は妹には…」
「言いませんよ、
「どういう事だ?」
「それ位は自分で考えてくださいよ、及第点すらあげれませんよ?」
「はぁ、そうするよ…」
どうやら、教えてはくれないみたいだ。
はぁ、見られてたか…
俺の酷い様を見られてたと思うと恥ずかしいなぁ…
「でも、それが劔先輩ですから。」
「どういう意味だ、そりゃ?」
「そのままの意味ですよ♪」
「コイツ、良い笑顔で言いやがった…」
全く、良い性格してるよお前。
もし、先無よりも先にお前に会ってたら…
「うっ!」
は、吐き気が…な、何で!?
「だ、大丈夫ですか、劔先輩!?」
「大丈夫…だ……し、心配するな………」
「少しトイレ行ってくる」と俺はその場を離れた。
…だから、気が付かなかった。
未來の奴が…
「重症ですね。でも、それも劔先輩らしくて大好きですよ♡」
…と、言っていた事を。
続く
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