第14話 日常

「ヴォルフ!死ねぇぇぇ!」


ここは砦の鍛錬場。

最近兵士との鍛錬の時間、日に日に激しさが増している。

特に俺の対しては皆容赦無く剣を打ち込んでくる。


「これでもくらえぇぇぃ!」


俺はウンザリしながら木剣を打ち合っていた。


何故か俺に打ち込んでくる時は殺気を感じる。

俺が何をしたというんだ。


今までもマンサ絡みで嫉妬に狂った奴らが俺に決闘を申し込んできたが、あまりの人数の多さに上官が動いてくれてなんとか収まった


しかしここ最近、急に鍛錬の時間がキツくなって正直ウンザリしている。


一人終わればまた一人、いつも鍛錬を求められて、こちらとしてはだいぶ強くなってきたが、相乗効果で相手のレベルも日に日に上がってきている。


「お前が死ねばマンサは俺のものだぁぁ!」


「待て!なんでそうなる」


「お前がマンサちゃんの家の隣に生まれてさえいなければ、今ごろ俺の嫁になっていたんだぁぁぁ!」


「んなわけあるかっ!!」


不毛な戦い。


ヴォルフの試練はまだまだ続く。

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