殺意の環

瀬川

第1話 はじまり


 この事件が世間をにぎわすようになったのは、三人目の被害者が出た頃だった。

 日本という平和な国では、連続殺人事件が起こること自体がまれだ。しかも最初の被害者が、ニュースでコメンテーターをするような著名な人の妻だったこともあり、センセーショナルなものとして扱われた。それこそ、毎日のようにニュースで事件の最新情報といっては周知の事実を放送し、いまだに犯人を捕まえられない警察を非難した。この時期に他に目立つ話題がなかったのも、報道を加速させた要因の一つだった。

 人々は、町や学校、スーパーで噂話を繰り広げた。犯人はあの人じゃないか。確かに怪しい。そういえば、事件の夜にうろついていたのを見た気がする。それは大変だ、警察に言うべきだろうか。そうしよう。これは犯人を捕まえるために正しい行動だ。こういった具合に、何もしていないのにも関わらず容疑者と決めつけられ、名指しをされたあわれな人の数は三桁にのぼった。警察では昼夜問わず情報提供の電話が鳴り、ほとんどが使えないものかクレームだった。その処理をするのにも人員が割かれ、ほかの業務に差し障りが出た。一つの事件のせいで、日本は大変な騒ぎになったのである。

 そんな事件に、僕の友人で探偵でもある天ヶ瀬あまがせが警察から捜査協力を要請されたのは、とうとう五人目が殺された翌日だった。


「私としては、あまり気が乗らないのですがね」

 事件の話をすると、紅茶を飲みながら天ヶ瀬はため息を吐いた。

「気が乗らないって。まさか断るつもりですか? 噓でしょう?」

 彼と離れた位置で新聞を読んでいた僕は、驚いて少し大きな声をあげてしまった。彼の言葉が信じられなかった。こんなにも世間をにぎわせている事件だ。普通は、協力したいと乗り気になるものでは無いのか。断るなんてありえない。彼が、大きい声や音を立てられることが嫌いなのは分かっていたが、それぐらい驚きが強かったのだ。わざとではない。

 案の定、彼は眉間にしわを寄せて、僕をたしなめるような視線を向けた。わざとではないことを示すために首をすくめると、読んでいた新聞をテーブルに置いた。そして彼のもとに近づく

「僕は、あなたのその類まれぬ頭脳を使って、事件を鮮やかに解決するのを期待しています。いえ、僕だけではありません。日本中が期待していると言っても過言ではないです。協力しないなんて冗談でしょう。あまりにも大きな損失です」

「それはさすがに褒めすぎですよ。否定はしませんがね」

 精一杯の語彙を駆使して褒めると、天ヶ瀬は機嫌よく口全体を撫で始めた。嬉しいことがあると、いつもそうやって口を撫でる。癖みたいなものだ。ひげ一つなく、つるりとした顔はさわり心地がいいだろう。手入れもしているから確実だ。本人はひげがある方が紳士に見えると思っているらしいが、僕の知る限りでははやしているのを見たことはない。前に一度試してみて、理想通りにいかなかったから諦めたという話だ。いつかは付けひげをと検討しているのを、絶対に止めようと考えているのは僕だけの秘密である。それは絶対に似合わない。

 天ヶ瀬は、虫のナナフシのように細長い体をしている。羨ましいことに、どんなに食べても太らない体質なのだ。その細い体に、好んで着用しているスカイグレーのロングコートを合わせると、随分と浮世離れした雰囲気になる。そこにひげが加わってしまえば、外に出るたびに職務質問をされること間違いなし。完全に不審者だ。とても怪しい。彼は、その自覚を全く持っていないが。

 褒め言葉を噛みしめているようで、今はない空想のひげを触り、穏やかに微笑んでいる。気が乗らないとは言っているが、絶対に嫌というわけでもない。そんな感じか。回りくどい。彼は、人によっては面倒だと避けられるような性格をしている。ほとんどの人と馬が合わない。僕は、そこが逆に面白いと思って友人という関係でいるのだが。彼も僕とは、どこがとは教えてくれないが一緒にいて心地よいと、前に言ってくれた。

「気が乗らないと言うのはですね。私に助言を求めるタイミングがあまりにも遅いからです。もっと早く言ってくれれば良かったのですよ。すでに何人の被害者が出たのか、君も知っているでしょう?」

「はい。昨夜、五人目の被害者が出たとか」

「そうです。君が今読んでいた新聞にも、事件についての記事が載っていますね。つまりは、新聞記者よりも私は情報を得るのが遅かったわけです。それがどういう意味を持つのか、君は分かりますね?」

 どうやら自分への協力要請が遅かったと、へそを曲げているらしい。天ヶ瀬は、今まで出会った中で一番優秀な探偵である。それを自分でも誇りに思っているのだ。

 探偵が警察に協力をするのは、物語の中だけだ。一般的な探偵が取り扱うのは、浮気調査やペット捜索といったものだろう。

 しかし天ヶ瀬は違う。彼こそ本物の探偵だ。僕が把握しているだけでも、片手では足りないぐらいの事件をすでに解決している。あくまで手柄は警察のものになっているが。それについて、特に不満はない。むしろ変に目立ちたくはないと、あえて譲っている。その代わり、事件が起こった際は好き勝手な行動をさせてもらうので、持ちつ持たれつの関係だった。

 天ヶ瀬は能力の高さに比例して、プライドもエベレスト並みに高い。謙虚という言葉を知らないのではないか。そう思うぐらいだ。

 そんな彼の元には、普通ならばありえないはずの警察からの協力要請が来る。手に負えないと判断すると、向こうからアドバイスを求めてくるのだ。そして今回は、そのタイミングがなかなか合わなかった。警察も、本当ならもっと早く要請したかっただろう。しかし色々あって遅れた。そのせいで、天ヶ瀬の機嫌を損ねてしまった。

 このぐらいのへその曲げ方なら、僕一人でも気分を乗らせることが出来そうだ。もしこのまま協力しないという結論になったら、それこそ目も当てられない事態になる。一肌脱がなくては。

「確かに。その点に関しては、警察は間違っていたと言えますね。早い段階であなたに協力を求めていれば、事件はすぐにでも解決したかもしれないのに」

「かもしれない、ではなく私がいなければ事件は迷宮入りするでしょう。犯人はとても頭のいい人物のようですからね。まあ、私には及びませんが」

「そこまで自信があるのなら、まさか引き受けますよね? 事件を迷宮入りにはさせないでしょう?」

 この事件を解決出来るとしたら、天ヶ瀬を持って他にいない。今までの彼の活躍を思い出した結果、そう確信している。すでに五人もの犠牲者が出ているので、協力するのは早ければ早いほどいい。彼が口全体を撫でているのを見ながら畳みかけた。

「新聞やニュースを見ている人達は全員、僕と同じようにあなたが事件に関わるのを期待しています。この事件には天ヶ瀬が必要なんです。あなたしかいません」

「……そうですね、期待を裏切るのも罪です。きっと私の力が必要でしょうから、断る理由もありませんね」

 よしよしいい感じだ。自分の作戦が上手くいっていると、内心でガッツポーズをする。これで、明日から彼は捜査に協力するだろう。警察には、僕のファインプレーを感謝してほしいぐらいだ。一つの事件を解決に導いたのだから。達成感を胸に抱きつつ、僕は大事なことを確認する。

「あの、その捜査なのですが……」

「心配しなくても、もちろん君に一緒に来てもらいますよ。私の活躍を、また本に書いてくれるのでしょう?」

「許可が出れば、ぜひお願いしたいです」

「もちろん許可は出るでしょう。それぐらい素晴らしい作品ですから。ただ、君の書く話はおおむね面白いですが、たまに私の描写に脚色を加えていることが問題で……」

「分かっています分かっています。脚色なんてしません。それで、捜査はいつから始めるのですか? 僕は明日、何時に起きればいいのでしょう?」

 天ヶ瀬の探偵としての活躍を、色々な経緯と縁があり、僕が執筆を担当し小説として世の中に出している。それで生計を立てられるぐらいは、酔狂なファンもいるのだ。幸運な話である。しかし、あくまでも読者にはフィクションとして楽しんでもらっていた。実際に起きた事件をそのまま書くのは、プライバシーや倫理的にあまりよろしくないからだ。名前や住所など、所々にフェイクを入れている。そうはいっても、人によっては分かってしまうだろう。

 彼は小説自体は受け入れていても、自分に関する描写を脚色しすぎていると、常々文句を言ってくる。しかし、そこは完全に否定したい。僕はありのままの姿を書いている。なにも大げさではない。彼は、一般的には変人の部類に入る。本人は絶対に認めないが。小説の登場人物にするには、もってこいの人間だった。

「別に早起きをする必要はありませんよ。正午にここに来てもらうように手配致します。この前みたいに、目覚まし時計を何個もセットされると、私の睡眠に支障をきたしますので余裕を持たせるつもりです」

 僕が朝に弱く、前に目覚まし時計を鳴らしたまま寝ていたのを、いまだに根に持っているらしい。こちらが完全に悪いので、あれから何度も謝ったのに。こうして、たまにチクチクと嫌味を言ってくる。かなりしつこい。

 この会話で、すでに察してもらえるかもしれないが、僕と天ヶ瀬は一緒に住んでいる。いわゆるシェアハウスというもので、決して恋人だとかそういう関係ではない。よく勘違いされることがあるから、ここで強く否定しておく。隠しているわけでもなく、歴とした事実だ。

 一緒に住んでいると、なにかと便利なことが多い。利害が一致している。探偵と作家という、お互いに不規則な生活を補えて、事件の関係者を気兼ねなく家に呼べる。初めはどうなることかと不安だったが、彼は踏み込まない場所を見極めるのが非常に上手く、居心地が良かった。お互いに結婚を考えていないので、死ぬまでこのままかもしれない。

「それなら良かった。ゆっくりと待っていられますね」

「はい。ただ明日から忙しくなりますから、今日は早めに休むのが賢明でしょう。夜更かしをしなければ、早い時間に起きられるはずです。規則正しい生活リズムを作りましょう」

 紅茶のカップを片付けながら、彼は大きなあくびをした。そして、気だるそうに首を軽く振る。

「私は寝ます。万全な体調で挑むのが敬意というものですからね。君も早めに寝てくださいよ。これから事件が解決するまで、いつ何が起こるか分かりません。いつものことなので分かっているとは思いますが、一応忠告しておきます」

 そして、寝るにはまだ早い時間なのにも関わらず、自分の部屋へと戻っていった。それを引き止めることなく、僕は先ほどまで読んでいた新聞紙に目を落とす。一面には、やりすぎなぐらい大きな見出しの文字が載っている。

『連続絞殺魔、ついに五人目の被害者が!!』

 まだこの時は、僕も天ヶ瀬も気がついていなかった。この事件が、考えていたよりもずっと複雑なものになっていくことを。


 次の日、目覚まし時計のアラームをかけずに起きたので、まっさきに現在時刻を確認した。十一時。まあ悪くない。寝坊してはいないから及第点といったところだ。目覚まし時計を使わなかったのだ。このぐらいならいい方だろう。

 自分を褒めつつ、大きく伸びをしてベッドからおりる。部屋を出ると、共有のリビングルームには、すでに天ヶ瀬の姿があった。優雅にカップを片手に、何かを読んでいる。よく見ると、僕の書いた小説だった。色々文句を言うが、なんだかんだ気に入っているのだ。

「おはようございます。いい朝ですね」

「おはようございます。この時間を、朝と言っていいのかどうか疑問ですが。約束までには見られる格好になっていてくださいよ。客人を出迎えるには、あまりに酷いです」

「分かっています。安心してください。僕の特技を知っているでしょう。早着替えです。いえ、準備全般早いことですね」

「それは誇れる特技ではありません。常に完璧でいること。それが一番です。余裕を持って行動すれば、何が起こっても対処できますから」

 そう言ってくる天ヶ瀬は、どんなことがあっても必ず朝六時までには起きる。起きてすぐに紅茶を飲むのがルーティーンのようだ。そのおかげで、戸棚には多種多様の紅茶の茶葉が所狭しと並んでいる。ストックが切れたことはない。僕には種類を言われても分からないが、淹れてくれるものはどれも美味しいので値段はそこそこするはずだ。何がどう美味しいのか聞かれても、上手くは答えられないけど。こだわっているのだけは明確だ。

「今日は誰が来るのですか?」

「いつもと変わりないです。例のあの人がきますよ。少し前に、向かうという連絡が入りました」

「ああ。そうですか」

 例のあの人。そのキーワードだけで、すぐに誰が来るか分かった。なんとなくそうだろうと予想していたが、つくづく縁のある人だ。いや、あの人以外とは天ヶ瀬が無理だから、これも必然か。

 来る前に準備を終わらせなくてはと、手早くいつもの服に着替えて冷蔵庫を開ける。まっさきにサンドイッチが目に入ったので、皿ごと取り出した。昨日、作り置きしておいたものだ。時間が経っても大丈夫なように、入れる食材には気をつけたおかげで、作りたてと見た目は変わらないままだ。手軽に食べられるから、サンドイッチにして正解だった。

「私の分は食べないでくださいよ。まだ食べますからね」

「善処します。たぶん」

 天ヶ瀬の好きな具材は分かっているから、それを避ければいい。ラップを外して、お腹がいっぱいになるまで手当たり次第に口に入れていった。美味しいと感じるより先に、空腹を満たすためだけに、どんどん詰め込む。

 そんな僕に、彼の視線が突き刺さった。どうせ、こう言いたいのだ。そんなふうに食べるのは、食べ物に対して経緯が足りないと。今はゆっくりと食べる余裕が無いので無視した。視線を感じつつ準備を終えると、ちょうど時計の針が二つとも十二を指すところだった。

「失礼する」

 秒針までもが十二に集まった時、いきなり部屋の扉がノックもなしに開いた。そしてつかつかと歩く音を響かせて、天ヶ瀬には及ばないが長身の男が入ってきた。

 染めたことが一度もなさそうな、きっちりと七三分けに撫でつけられた髪。目力のある瞳と吊り上がった細い眉。への字に結ばれた唇。その場にいるだけで威圧感を与えるのは、本人が愛想を見せる気が全くないからだ。決して怒っているわけではない。これが平常だ。しかし鍛えているせいもあり、見た目だけだとその筋の人みたいだ。

「時間ぴったりですね。さすがです」

 突然入ってきたが驚くことなく、天ヶ瀬はソファから立ち上がって男に手を差し出した。

「時間を守るのは当然のことだ」

 男はその手を強く握り返すと、定位置である客人用の椅子に座った。その動きは、どこか上品にも感じる。動作に無駄がないからだろうか。

「お久しぶりです。蒜山ひるぜんさん」

 時間ぴったりに来るのは分かっていたので、あらかじめ用意しておいたコーヒーを彼の前に置いた。意外に甘党なので、砂糖とミルクは多めだ。

「ありがとう。久しぶりだな桃洞とうどう君。元気にしていたか?」

 僕に視線を向けると、仏頂面のままだがお礼を言ってくれた。高圧的に見られがちだが、悪い人ではない。僕の知っている中では、一番の善人だ。

 彼の名前は蒜山ひるぜん紫苑しおん。警視庁特別犯罪捜査対策室室長という窓際部署にいつつも、三十一歳で警視正という肩書きを持つ矛盾したキャリア警察官である。本人曰く、現場にいながら好き勝手に動くには、今の立場がちょうどいいらしい。もう少ししたら出世街道に戻ると言っているが、そう自由に出来るものでは無いはずだ。しかし本当に、それが出来そうな何かを持っている。とにかく不思議な人だった。

 優秀なのは認める。しかし、実直すぎてたまにとんでもない大ミスを犯しかけたことが何度かあった。そのフォローを、今まで天ヶ瀬がしてきたのだ。

 実は物語として書いているが、それをお披露目するのはまたの機会にしておこう。そういう恩もあり、現在警察と天ヶ瀬の橋渡し役を担っている。

「蒜山さん。事件の担当になったんですね。この事件、県をまたいで起こっているようですけど。警視庁が主導なんですか?」

「連続殺人事件だと判明した時点で、特別合同捜査になった。捜査本部は警視庁に設置されている」

「五人目の被害者が出たから、蒜山さんにもお声がかかったということでしょうか」

「いや。無理やり乗り込んだ」

 普通であれはそういうことも出来ないだろうが、彼だからこそか。本当によく分からない人だ。

 天ヶ瀬に捜査協力を初めて頼んできた時だって、絶対に反発があったはずなのに、全くものともしていなかった。つまり上司の胃を痛めるタイプ。味方でいれば心強い。これからも、いい関係性を築いていたい。

「先生の捜査協力の許可ももぎとってきた。俺と一緒であれば、関係者に話を聞くことも出来る。もちろん、分かった事実は全て報告する義務があるがな」

「いつもと同じですね。もう分かっていますから、事件の話に入りましょう。時間は有限ですから無駄には出来ません。すでに犠牲者の数も相当なものです」

「そんなのは言わなくても分かっている」

 天ヶ瀬と蒜山の相性は、一見悪いように思えて、実はいい。ひょうひょうと真面目が、上手い具合に交わるのだ。傍から見ている僕としては、いつ蒜山が爆発するのかと心配しているが、今のところはない。忍耐力が凄いと感心している。

 眉間にしわを寄せたまま、蒜山はカバンの中から資料を取り出し、テーブルの上に広げた。現場、そして本来であれば絶対に見られない遺体の写真までもがある。そういった写真を見るのは初めてではないが、慣れるものでも楽しいものでもない。実物となると、数日は食事が出来なくなる。気味が悪いというより、被害者の無念を感じ取ってしまう。

 こういうのは、全て天ヶ瀬に任せておこう。出来る限り写真から目をそらして、まだ出しっぱなしだったサンドイッチを一個手に取り、ラップをかけ直して皿を冷蔵庫に戻した。残りが少なかったことには見て見ぬふりをしておく。全て食べていなければいいのだ。たまごサラダが具に入ったそれを食べながら、写真が置かれているところよりも遠い位置に腰を下ろした。

「新聞やニュースで騒がれているから、ある程度は知っているだろうが、時系列順に事件を説明させてもらう。質問は話し終えた後にしてくれ」

 説明はそこから一時間以上かかった。全て書くと膨大な量になってしまうので、要点をまとめておく。


 第一の被害者は、樋口ひぐち聖子せいこ六十八歳。専業主婦で、東京都杉並区にある自宅で殺害された。死因は首を絞められたことによる窒息死。死亡推定時刻は三月一日午後二時だった。

 凶器は、被害者の首に残されたままだったマフラーで、わざと犯人が置いていったらしく何故か一つ結びをされていた。色はピンクで、タグがついていなかったことから推測すると、市販品ではなく手編みのようだ。マフラーからは被害者以外の痕跡が検出されたが、そのDNAはデーターベースではヒットせず、犯人のものかどうかも不明である。

 推測されている手口は、ソファでくつろいでいたところを後ろからいきなり襲われたというもの。浴室の扉が破壊されていて、そこから侵入したと考えられている。

 第一発見者は被害者の夫である樋口ひぐち浩三こうぞう。彼は、テレビでコメンテーターをすることもあるような著名な精神科医だ。初めは、樋口が最有力容疑者として疑われたが、死亡推定時刻にテレビ番組の収録をしていたというアリバイを持っていたため、すぐに候補から外れた。

 行きずりの犯行か、怨恨による犯行か。その二つの線に絞って捜査は始められたが、すぐに行き詰まってしまう。

 犯行現場となった屋敷には、中にも外にも防犯カメラが設置されていた。しかし運の悪いことに、数日前から故障していたせいで機能していなかったようだ。壊れる前のデータを確認しているが、今のところ怪しい人物は映っていない。

 高級住宅街なので、他の何軒かの家にも防犯カメラはあった。その全てのデータをしらみ潰しにチェックしたが、怪しい人物は見つからず、カメラの位置をあらかじめ把握していた可能性が高い。下見をしているとしても、かなり前のことのようだ。

 捜査をしている中で、樋口が事件に協力したいと申し出た。彼も、何度か警察にアドバイザーとして協力したことがあったらしい。しかし、今回に限っては許可されなかった。事件関係者だからである。当たり前だ。


 第二の被害者は、丸山まるやま武夫たけお六十五歳。夜間警備員で、仕事中に殺害された。

 現場は、千葉にある営業終了した商業施設のフロアだった。見回り中に不意をつかれて、背後から絞殺された。現場の状況から、何かを拾おうとしていたと推測されている。

 凶器は第一の事件と同じ手編みのマフラーだったが、今回は色が違った。青色だったのだ。しかし、首のところで一つ結びにされていたのは同じだった。第一の事件と同一のDNAも検出された。

 死亡推定時刻は、三月八日午前一時四十分から二時までの間。どうしてそこまで絞れたのかというと、当時現場には同僚の伊藤いとうさとしがいて、一緒に警備をしていたからである。しかし、被害者と常に行動を共にしていたわけではなく、死亡推定時刻にたまたま近くでボヤ騒ぎがあり、伊藤はそちらに一人で向かい、近所の住人と共に消火活動を行っていた。そちらが収まり、一人残していた丸山に連絡を取ろうとした。しかし繋がらず、戻って探したところで死んでいるのを発見した。すぐに警察に連絡をしたので、そこから時刻が割り出された。

 この時点では、まだ第一の事件と第二の事件が繋がっているとは考えられていなかった。県をまたいでの事件だったせいもある。


 第三の被害者は、小松こまつ真央まお五十二歳。幼少期に事故に遭い、下半身不随のため自宅療養中だった。

 現場は茨城県にある自宅で、介護をしている妹の小松こまつ未央みおが、買い物に出かけていた時間を狙われて殺害された。死因は首を絞められたことによる窒息死。ほとんど抵抗の痕跡が見られなかったため、寝ているところに不意をつかれたと思われる。凶器は手編みのマフラー、色はピンクだった。もちろん、首のところに一つ結びにされて残されていた。DNAも出た。

 死亡推定時刻は三月十五日午後三時から三時半までの間、第一発見者は未央だった。


 ここでようやく、第一から第三までの事件が繋がっていると判明した。しかしそれに気がついたのは警察ではなく、マスコミの方が先であった。とある記者が凶器のマフラーや手口に、同一人物の犯行ではないかと疑いを持ち、それを記事にした。記事を見た警察が慌てて調べたところ、マフラーから検出されたDNAが一致したのだ(この話をしている最中、蒜山の表情はかなり険しかった。苛立ちを表すかのように、テーブルを強く叩いていた。当時は警察の失態だとかなり騒がれていたから、それを思い出していたのかもしれない。気持ちは分かる)。


 第四の被害者は、篠宮しのみや麗奈れな四十四歳。篠原不動産販売社長、篠原しのはら直人なおとの娘で、東京都で開かれたパーティーの帰りに殺害された。

 死因は絞殺による窒息死で、凶器はもちろん手編みのマフラー。色はピンク。首のところで一つ結びにされていた。残されていたDNAも一致。

 死亡推定時刻は三月二十二日午前二時から四時までの間。パーティー会場からの足取りは、手違いでタクシーが来なかったため、徒歩で帰ってからは不明。午前六時八分、早朝のランニングをしていた男性が道端で倒れているのを発見した。発見者と事件は関係がないことが証明されている。


 そして昨日、とうとう第五の被害者が出てしまった。

 被害者は、三宅みやけ正樹まさき三十五歳。無職で、競輪場内にあるトイレの一室で殺害されていた。

 死因は絞殺による窒息死。凶器は手編みのマフラー、色は青。被害者の首に一つ結びにされて残されていた。DNAも検出済みだ。

 死亡推定時刻は三月二十九日午後一時。殺害時、被害者は泥酔していたため、ほとんど抵抗らしい抵抗は出来なかったと考えられる。競輪場に防犯カメラはあったが、もちろんトイレには設置されておらず、現在のところ怪しい人物は見つかっていない。


 全ての事件で発見された凶器のマフラーには、同一のDNAが検出されている。しかし、誰のものかは不明。どこで作られたものかも不明。被害者同士の共通点も不明。もちろん犯行動機も不明。分からないことだらけである。


「さすがに五人も被害者を出していて、警察が動かないわけがない。合同捜査本部が東京に設置されて、最優先事件として各都道府県から精鋭が集められた」

「そのうちの一人が蒜山刑事ということですね」

「つまらんお世辞はいらない。乗り込んだと言っただろう。しかし先生に頼むのは賛成だが、樋口に頼まなければいけないほど切羽詰まっているのが悔しくてたまらない」

「それって最初の被害者の……」

「旦那だ。最初に断ったはずなのに、全く諦めていなかったようでな。世論を使ってまで、自分を売り込んできた。妻を殺した犯人を捕まえたいと、テレビで訴えて同情を誘った。いまだに捜査に進展がないのを突かれて、結局アドバイザーとして協力してもらうはめになったわけだ」

「でも、著名な人らしいですし、協力してもらうのはプラスになるのでは? 何回か協力してもらったのでしょう?」

 僕は単純にそう思ったが、蒜山は首を横に振った。顔もしかめている。心底嫌らしい。

「関係性が近すぎる。この事件を、冷静に第三者的立場で見られるとは思えない。それに」

「それに?」

 そこで言葉を区切ると、冷めてしまったコーヒーを一気にあおり、音を立ててカップを置いた。

「……ああいうタイプは好きじゃない」

「蒜山刑事が嫌うなんて、珍しいこともありますね。何かそう思うようになった理由でもあるのでしょうか?」

 蒜山の言葉に興味をひかれたようで、話を聞いていた天ヶ瀬が目を輝かせて身を乗り出した。そういう、人の不幸話やゴシップ話を聞くのが好きなのだ。趣味が悪いので止めた方がいいと何度も言っているのに、聞いてくれた試しがない。本来ならば、あまり深堀されたくない話題だろう。今回は蒜山が気にしていないから良かった。

「そういうわけではないが……こんなことを言うのは良くないとしても、どうも虫が好かない」

「本当に珍しいですね。蒜山さんがそう言うなんて」

 彼は警察官らしく裏表のない人で善人だから、他人を悪く言うところを初めて聞いた。天ヶ瀬と同類にはなりたくないが、僕も気になってきた。新聞で樋口の写真を見たが、五十一歳という年齢にしては若々しく、知的な雰囲気が漂っていて好印象を受けたのだが。まだ知らない顔があるのか。

「この話を掘り下げる必要は無いだろう。事件には関係の無いことだ。それよりも、今までの話を聞いて何か分かったか?」

 やはりあまり触れられたくない話題のようで、咳払いと共に話をそらされた。睨みつけるといっていいぐらいの眼力に、これ以上は踏み込むなという強い意志を感じた。天ヶ瀬はもう少しからかいたいという雰囲気を出していたが、僕が脇腹を小突いて止めた。蒜山を不機嫌にさせたら、これからの動きに支障が出る。

「そうですね。今の話を聞いて、私が言いたいのは一つです」

「もう容疑者が分かったのか?」

 穏やかに微笑んだ天ヶ瀬に、今度は蒜山が期待したように身を乗り出す。しかし僕は知っていた。

「とりあえず事件関係者に会いに行きましょう。蒜山刑事が嫌がるぐらいに、とても興味深い人のようですから」

 こういう時の天ヶ瀬は、かなり質が悪いということを。


 あの後、不機嫌になってしまった蒜山をなだめるのに、とても時間がかかった。

 人を小馬鹿にした態度はトラブルの種。その後始末をする僕の身にもなってほしい。

 怒っていたとはいっても蒜山の方が大人だったので、すぐに仕事モードに切り替えてくれた。しかし、こめかみに青筋が浮かんでいたので、完全に怒りは消えていなかった。それでも、関係者と話をするための段取りを進めたのは、さすがとしか言いようがなかった。偉い。

「まさか、今日中に誰か一人と話が出来ますよね?」

 しかし天ヶ瀬は、蒜山の気持ちなどお構い無しだった。この一言に血管が切れる音がした。僕はもうなだめる気力がなくなって、コーヒーのおかわりを淹れるという名目で、その場から離れた。

 席を外していた間にどんな話がされたのかは知らないが、戻ってきた時の二人の様子から天ヶ瀬に軍杯が上がったのだと察した。


 こういった経緯で、僕達は関係者に話を聞くことになった。顔合わせも兼ねて事件発生順にである。樋口ならば、協力関係にあるためアポイントを取りやすいといった背景もあった。それに天ヶ瀬が、今のところ一番興味を抱いている。

 会う場所をどうするのか色々な候補が出たが、結局僕達の家に決まった。一軒家なので、ちょうど良かったのだ。こちらとしても、相手を出迎える方がやりやすい。天ヶ瀬も、落ち着いていつも通りの能力を発揮出来る。

 僕達がどこに住んでいるのか、プライバシーや職務上の理由から、はっきりとした場所を明記するのは控えさせてもらいたい。とりあえず本日中に会える距離、というだけにしておく。

 会うのは可能か蒜山が樋口に連絡をすると、快諾されたので来るまで待つことになった。蒜山は天ヶ瀬のせい苛立っていた。なんとか機嫌を直してもらおうと、僕は必死に頑張った。そのおかげで、浩三が到着する頃には普段通りに戻ってくれた。この頑張りを、誰か認めてほしい。


 蒜山も落ち着き、穏やかにティータイムを楽しんでいた頃に、玄関のチャイムが鳴った。客を出迎えるのは僕の役目だ。待たせないように小走りで玄関に向かう。

「お待たせいたしました」

 外開きの扉なので、相手に当たらないように気をつけて、ゆっくりと開けた。

 余談だが、蒜山は家の合鍵を持っているので、いつでも好きな時に入れる。今までアポイントなしに勝手に入ってきたことはないが。そういうところも真面目な人である。

 扉の向こうには、先ほど姿を思い出していた通りの人物が立っていた。

「はじめまして、樋口浩三です。あなたが天ヶ瀬さんですか?」

 出迎えた僕を、天ヶ瀬だと勘違いしたらしい。被っていた帽子を外し、紳士的な笑みを浮かべてきたので、慌てて訂正する。

「いえ。僕は助手みたいなものです。天ヶ瀬は中におりますので、どうぞお入りください」

「そうですか。それではお邪魔いたしますね」

 樋口の第一印象はとても良かった。昔なにかスポーツをしていたのだろう、服の上からでも分かる体格の良さ。白髪混じりの髪を丁寧に撫で付け、少し日焼けした四角い形の顔。濃い眉毛に、鼻筋がすっと通っていて、唇も厚い。たれた目尻にはしわが寄り、いつも笑っているのだと想像させた。若い頃は女性にモテただろうし、今もそうかもしれない。総合すると、かなり魅力的な人間だ。

 僕は樋口を先導し、天ヶ瀬と蒜山が待っている部屋へと案内した。

「樋口浩三様がいらっしゃいました」

「はじめまして……あなたは先ほど連絡をくださった蒜山さん? ですよね。……それならあなたが」

「天ヶ瀬と申します。今回、事件の協力をすることになりました。よろしくお願いします」

 天ヶ瀬と樋口が力強く握手をする。手と手を通じてなにか分かったのか、お互いに笑みを強めた。

「さて、事件のことについて、どこまでお聞きになられましたか?」

 客人用の椅子に座ると、すぐに樋口は話を切り出した。彼の妻が被害者になっている事実を考えれば、こちらからは聞きづらかったから助かった。

「簡単に概要を教えてもらったところです。しかし、出来れば詳しい話をお聞かせ頂けますか?」

 しかし、こういう時に天ヶ瀬の辞書の中には、遠慮という文字は存在しない。普通であれば質問しづらいところを、遠回しせずに直球に聞いた。同情する時間があれば、さっさと事件解決のために動きたい、といったところか。樋口は少し驚いていたが、気を悪くはしなかった。

「そうですね。何が聞きたいですか。妻を殺した人間を捕まえるためだったら、どんなことでもお話しますよ」

「それでは、奥様を恨んでいた人物に心当たりはありますか?」

 さすがにそれは直球すぎる。しかしいつものことなので、僕も蒜山も止めず様子を見た。あまりにやりすぎそうな時は、すぐにでも間に入れるように準備はしておいた。樋口は人格者で通っているので、このぐらいでは怒らなかった。

「妻は人に恨まれるような、そんな人間ではありませんでした。誰にでも平等に、優しく、かつては教師をしていたので気高かった。恨まれるなんて、絶対にありえないです」

「それでは、あなたを恨んでいた人物はいましたか?」

 その質問を聞いて、樋口の眉間に一瞬しわが寄った。しかしすぐに笑みに変わる。

「こういった仕事をしていますから、全くないと言えば嘘になりますね。どうしても助けられない人もいます。お恥ずかしながら、私の言葉が届かず亡くなってしまった人も。その時は人の心というのは難しいと、自分を慰めます。どうしようもなかったのです。脅迫の手紙が届いたことだって、今まで何度もありました。頭のおかしな手紙も。しかし、そういう人間には実行に移せるほどの力を持っておりません」

「頭のおかしい人間というのは、何をしでかすか分かりませんよ。常識から外れた行動をとることだってあります」

「それでは天ヶ瀬さん、あなたはこの連続殺人犯が私に関係している、そう言いたいのですか?」

「可能性はあるでしょう。最初の殺人は特別ですから」

 天ヶ瀬は挑発を続ける。そろそろ樋口が爆発するのではないかと心配になるが、むしろ笑みを深めた。

「私はその意見に賛成しかねます。今回の事件の犯人は、頭のおかしい人間ですよ。私には関係ありません。それは私の調査結果からも明らかです。きっと注目を浴びたくて、この事件を起こしたのでしょう」

「なるほど。あなたの意見はそうですか。それでは私は、別の方向から考えてみましょう」

「別の方向とは? ぜひお聞かせいただきたいですね」

「それは……またのお楽しみ、ということで」

 天ヶ瀬は人差し指を口元に当てて、これ以上は情報を伝える気はないという意思表示をした。

「そ、うですか。お互い頑張りましょうね。犯人を必ず捕まえましょう」

「捕まえるのは私の役目です」

「……それはそれは。とても楽しみです」

 結局、樋口は最後まで爆発はしなかった。その精神力を称賛したい。


「あんなに煽って、もう協力は望めませんよ。むしろ、あちらが手に入れた情報は隠されてしまいそうな気がします」

 樋口が帰った後、どこか部屋には気まずい空気が残っていた。あそこまで人を小馬鹿にしているところは、ほとんど見ないから珍しくて驚いている。蒜山は僕よりもだ。

「そうだな。もう話はしたくないと言っていた。さすがに強制は出来ないから、今後、場を作って話をするのは難しい。どうしてあんな態度をとったんだ」

 僕と蒜山に非難されても、涼しい顔で紅茶を飲んでいる。自分がしたことについて、特に悪いとは思っていないようだ。

「あれでいいんですよ。わざと挑発しました」

「どうしてですか? 何のメリットがあって、そんなことを」

「そうだ。やる必要のない争いをする意味が分からない。無駄に敵を作っただけだ」

 彼の意図が読み取れない。樋口を挑発して、何を得ようとしたのか。そして満足する結果となったのか。とてもそうは見えなかった。

「どこまで忍耐力があり、どこまで感情を押し殺せるか確認しました。なかなか興味深い人です」

 そう言って立ち上がり、先ほどまで樋口が座っていた椅子を指す。よく見ると、ちょうど手が置かれていた位置の部分に引っかき傷が出来ていた。それも一箇所ではなく、複数あった。

「これは……?」

 こんな傷は、椅子を用意した時にはなかったはずだ。そうなると、傷をつけたのは樋口ということになる。しかし、どうしてこんなことを?

「私への怒りを我慢するためにでしょう。涼しい顔をしていましたが、どこかで発散しないと耐えられなかったわけです」

 それで、椅子がこんな状態になってしまったのか。樋口の隠された裏の顔というよりは、天ヶ瀬の挑発が酷いものだったから、態度に出さなかっただけ大人な対応なのか。

「これからどうするつもりですか? 樋口さんからは大した話を聞けませんでしたよ。情報を集めなければ、推理に支障が出るのでは?」

「これぐらいのことで私の推理に影響は出ませんよ。むしろ下手に介入されるよりも、随分とマシです。私には君と蒜山刑事がいれば、それで十分ですから」

 いいことを言っているように聞こえるが、ただ単に使い勝手の良さと、僕達に対しては人見知りをしないからだけである。

 人に言うと信じてもらえないが、天ヶ瀬は人見知りである。一見するとそうは見えないから、とても分かりづらいが。会話を弾ませることは出来るし、二人きりになっても困らない。ただし、それは仕事中に限った話だ。事件を解決するためならばなんでも出来るが、それ以外の時はポンコツだった。僕はもちろん、蒜山もそれを知っているので呆れている。今までの分の怒りを吐き出すように、皮肉を言った。

「次はどうするんだ。誰を敵にする?」

「そうですね。それも魅力的ですが、時間も遅いですし明日にしましょう。蒜山刑事も警視庁に帰るのは大変でしょうから、泊まっていくでしょう? どうせ、私の行動を監視しろと、いつものように命令を受けたはずですよね。どうぞ、今日は敵を作ったと報告をなさってください」

 しかし、皮肉を皮肉で返されて黙るしか無かった。

「……世話になる」

 それでも殴らずにおさめたのだから、素晴らしい忍耐力だ。周りの忍耐力のおかげで無事でいられるのだと、天ヶ瀬にはもっと自覚してもらいたい。

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