俺の人生こんなもんゲーム
ナカムラ
ゲームの始まり
俺は、本上 隆史(ほんじょう たかし)。
一応、有名な大学の1年生だ。
俺は、今、自分のアパートの部屋の中にいる。
なぜ、授業に出ていないのか。
だって、大学の授業に出たくないから。
ただ、それだけだ。
俺だって、小、中、高は、輝やかしい人生を送っていた。
まぁ、顔は、いい方だと思うし、結構、自分で言うのもなんだが、勉強も出来たし、運動神経、抜群。
しかも、面白い事言ったりしてたから、男にも女にもモテたな。
では、なんで、こんな生活送ってるかって?
それは、燃え尽き症候群ってヤツだな。
受験に入り、俺は、ひたすら勉強した。
学校に行く前も、塾から帰った後も、休日も、勉強しまくった。
そのために、彼女も、友達も、遊びも全て捨てたさ。
おかげで、第一志望の大学に受かった。
そしたら、2、3日は、大学に通えたものの、それが限界だった。
親に、ちゃんと毎日、大学通ってるふりして、仕送りしてもらってる。
俺の大学生活は、単位を取れなければ、1年で終わる。
そしたら、仕送りも止まるだろうな、きっと……
1日中、漫画読んだり、天井のシミがわかるほど、見つめたり、寝たりして過ごしていた。
俺は、今日、なんとなく、スマホをいじっていた。
すると、面白そうな無料ゲームアプリが、あった。
ゲームアプリの説明には、こう載っていた。
ーゲームに成功したら、100万円プレゼント。その代わり、ゲームに失敗したら、ゲームの中に入って頂き、それで失敗したら、あなたの命を頂きます。もし、そこで、成功したら、100万円プレゼント。ー
俺は、思わず、笑ってしまった。
人の命が100万円って言ってるのか、このゲームアプリ、随分、安くついたものだな。
まぁ、いいや。今の俺の存在、100万円以下かもな。
このゲームアプリ、冒険ファンタジーなんとか、って書いてあるけど、「俺の人生こんなもんゲーム」って呼ぼう。俺の最近の口癖が、俺の人生こんなもん、だから。
1回お試し、って書いてあるな。その後、本当に、ゲームに、参加していくのか。
まぁ、お試ししてみるか。
俺は、ゲームアプリをインストールしてみた。
まずは、お試しのゲームをすることにした。
キャラ名は、タカシにした。まぁ、そのままだけど…。
なんか、グリーンのベレー帽を被ったヒヨコみたいなキャラクタ-の横に、吹き出しで
ー僕、ゲーム案内のヒヨッピー。これから、ゲームの説明をするよ。タカシは、指でなぞって時間内に、岩の間をすり抜けて、川を渡りきってね。ー
これは、簡単そうなゲームだ。これだったら、もし、ゲームに失敗して、ゲームの中に、入ってしまったとしても、俺は、水泳検定1級だ。これは、自信があるぞ。
ゲームスタート、を押した。
指でなぞると、岩のある川の中に、線が引かれていって、見事、川を渡りきった。
成功です!!100万円get!!と、書かれていた。
俺は、急いでATMへ行って、確かめてみた。
「本当だ。本当に、100万円入ってる。」
俺は、本格的にゲームを、始めることにした。
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