あつまれ笑い声フェチ!第一回いろんなシチュエーションで笑いまショー選手権!

団田図

第1話 思い出し笑い 高笑い

 まずは景気づけに豪快なひと笑い、いっときますか!


 ぐわっはっはっはっはっー


 はいっ!というわけでございまして始まりました!


『いろんなシチュエーションで笑いまショー選手権』


 司会 兼 解説 兼 出場選手は私、生まれたその日の産声から今日まで笑い続けて20年、来笑亭らいしょうていエミリーでお送りします。

 そして、肝心の審査員は、

 今これを聴いているー、

 そこのーあなたでーす!


 ひゃひゃひゃひゃ。


 説明しよう。この選手権は、出場選手である私エミリーが、様々なシチュエーションでの笑い声を披露して、審査員であるあなたにジャッジしてもらうという企画でございます。

 一緒に笑ってもよし!

 友達と笑ってもよし!

 落ち込んだ時に聞いてもよし!

 いいことがあった時に聞いてもよし!

 私の笑い声で、あなたと世界を元気にしていくことを目標にやってまいりまっす!


 びよよーん!

 うひゃひゃひゃ


 では早速まいりましょう。まずはシーン1の説明をいたします。こちらのテーマは、『思い出し笑い』です。

 上京して間もないエミリーが、故郷である愛媛にいる家族を思い出しての一コマです。

 それでは、はりきってまいりましょう。

 よーい、スッタート!


(ピンポーン)

「おや?実家から小包が届いたぞ。なんだ?

 まさか、これが世にいう救援物資ってやつなのか?

 親元を離れた我が子を思って、わざわざ実家からカップラーメンやお菓子などを一方的に送り付けるあれか?送料のことを考えたら、住んでるこっちで買った方が、安上がりなのに、というあれなのか?

 箱を開けて、まずはじめに出てきたのが、『おかき』。これはきっと、ばっちゃんが入れたな。ばっちゃん元気かな~。そういえば、上京するときに3歳年上の町内会長さんに惚れちゃって告白するって言ってたけど、どうなったかな~?

 ばっちゃんもまだまだ若いってことだな。長生きしてよね。


 うふふふっ。後で食べよ。


 その下は何かな?おっ、これは、愛媛が誇る名産品である『みかん』!この色、ツヤ、大きさ、なんともおいしそうじゃあないですか。実家はみかん農家じゃないのに、なぜかご近所さんからたくさんもらって、途絶えたこと無いんだよな~。

 みかんといえばコタツを囲って家族みんなでよく食べてたっけ。一人一人の足のニオイは臭いけど、みんなが集まったコタツの中のニオイが、意外といい匂いしてたんだよな。


うふふふっ。これも後で食べよっと。


 次は何かな?おお、日本三古湯の一つである道後温泉の『湯の花』!近くにあったから何度も家族で行ったよね。この湯の花をお風呂に入れれば、たちまち温泉に早変わりして、遠くにいても温泉気分を味わえる代物。

 そういえば私がまだ小さい頃、ママと一緒に温泉につかっていた時、オナラをしちゃった私をかばって観光客の人に『この匂いがこの温泉の特徴なんですよ』とかなんとか言ってたっけ。


 うふふふっ。今日はこれで暖まろう。


 そー言えば何か忘れているような、、、

 あーハンコを探しに来てたんだった。配達員さんお待たせして、ずみまぜん、、、」


 ぎゃはははは。私のバカ。ぎゃはははは。

 おっと、取り乱しました。失礼しました。

 いかがでしたか?思い出し笑い。一人の時ならいいのですが、周りに人がいる時、ふいに出てしまう思い出し笑いには気を付けないといけませんね。それを見た人たちが、あいつヤバくね?って思われてしまいますからね。


 続いてシーン2のテーマは、『高笑い』です。ここでは、水利権を一手に引き受けるマフィアの女ボスであるエミリーが、破滅の危機に陥るまでの様子をお送りします。

 それでは、はりきってまいりましょう。

 よーい、スッタート!


「トム!靴が汚れているわよ!早く磨きなさい!まったくあなたは何をやってもどんくさいわね。遠い親戚だから仕方なく使ってあげているっていうのに。もっと丁寧に磨きなさいよね。もし、私の大事なこの靴に傷を付けたものなら、あなたの頭にこの熱々の葉巻を押し付けてあげるわよ!


 おーほっほっほっほっ!


 ところで、また水の料金を値上げしたら平民どもが文句を言ってきたそうね。競争相手がいないんだから上げるに決まっているじゃない。文句言ってくる奴らへの供給は、片っ端から止めておしまいなさい!どうせあいつらは水が無いと生活ができないんだから、払うしかない運命なのよ。


 おーほっほっほっほっ!


 せっかく、ゲスな役人に袖の下を渡して公共事業から民間事業にしたのだから、しっかり回収するまで、値上げし続けるわよ。もしこのことが平民どもにばれたら、暴動が起きかねないから、絶対に誰にも言うんじゃないよ!

 まあ、我々ワラワラファミリーの結束は鋼のように固いから、いらぬ心配か。


 おーほっほっほっほっ!


 ん?トム!あんた!何よそのポケットの膨らみは!

 え?全てライブ配信していただと?!」


 あらあら、最後は顔面蒼白になってしまったようですね。悪いことはするもんじゃないですね。いかがでしたか?高笑い。現実世界でこの笑い方をする人は、選挙に勝った政治家くらいだけでしょうか。あいや、深い意味はありませんよ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る