死神様にお頼み申す!!!

たから聖

第1話 封印解かれし者

『かなで~~~ッッ……

奏っ!!ちょっとぉぉ~~』


ガラッ。


『お酒買って来てくんなぁぁい?

ママ、よっぱらっちゃってぇ』


『金……。』


『お金ぇ?奏出してよぉ。

バイト代が、あんでしょお?』


『…………チッ。しけてやんの。』



ガチャ……。

『ママ。いつものね?』


『奏、ありがとう~~好きよぉ。』


ママは、いわゆる都合の良い

女だ。とある企業の経営者と

デキてる。


私は……誰の子か、分からない

らしい。

まぁ、この際父親なんて。

いらないけどさっ!!



『バイト先に、前借りしてくるか?……』




~バイト先にて~


『店長~~ッッこんちは。』


『お前、また酒代かよ?

もう、いい加減にしてくれないかなぁ?うちも困ってんだけどさ。』


『ママが…………。』


『チッ。…………じゃあトイレ

来いっ!!!』





『……はぁ、はぁ。上手いな、

お前。絶対誰にも言うなよ?

…………ウッ!!』


『……。』

『今日は、生だから。五万な。』


『しっかり者だねぇ。まぁ

俺としては、女子高生とエッチ

出来んだから。はい!五万!


また頼むな!クックッ』



『スーパーで、酒買うの

面倒くさっ。何でいつも、

こんな事しなきゃ。ママさえ

いなけりゃ。あんな奴……

死ねば良い!!』



『……?!ん?』


『何だ。…………コレ?』

(スッゴい!この玉!キラキラ

してて、持ち帰りたい!)



『見つめれば、見つめる程に

美しく怪しく光る玉だなぁ。』


『誰のものでも無いし。

持って帰ろうかな?それにしても

綺麗だなぁ。』



『よし!!これ、私の宝物に

しよう!!わぁ~~』

『やったぁ~~ッッ!!』


玉を握ると……天にも昇る

閃光が貫いた。



『ええ?!…………!!

なんだコレ?光ったぞ!えっ!』



空が真っ黒に染まり始める。

その黒い空は、徐々に渦巻き

始め……がい骨の顔をした黒い

マントを羽織る。

まるで、そう、まるで死神の

姿をした大きなカマを持った


化け物が……天から降りてきた。




化け物は、奏に言う。



『ご主人様……いかような御用

ですかな?』

がい骨の口は、両方避けていた!


見るからに、血なまぐさくて

思わず、奏は後ずさりしてしまった。



がい骨は、続ける。

『何でも、お申し付け頂けると

助かるのですがな。』


奏は、ゴクリとノドを鳴らすと



半信半疑で、1つだけ。

願いを話してみた!


『ママを消して、この世から。

お前に、出来るのか?』


『お安い御用です。』


死神は、大きなカマを空に向けた。とそのカマを稲光と共に

ザクリ。と勢いよく振り下ろした!!



『願いは、叶いました。

ご主人様……。』


『…………へ?もう?ホントかな?』



奏は、家に帰ってみると、

母親は、誰かによって、刺し殺されていた。しかも、腸が丸見えだ。



『オエッ!!!』

遺体を見た奏は、その場から、

逃げた。


『ホントに!!願いが……叶うんだ!!凄いな!!』


奏は、次に店長を殺せと命じた。



化け物は、先程と同じくカマを

勢いよく振り下ろす。




奏は、店長の様子を見に向かった。店長は、店の前でトラック

に引かれて、脳みそが、

めちゃくちゃだった。



奏は、気分が段々と大きくなり、

学校でも気に入らない先生や

ムカつく生徒達の名前を、

どんどん出した。



化け物はカマを命令が下る度に

勢いよく振り下ろしていた。



奏は、思わずバカ笑いをし出した。

『逆らう奴は、殺せ!!!』


『どんどん殺せ!ハハハハ!!』



奏の人格が、まるで人の死を

喜ぶ鬼畜と、化してしまっていた。化け物は思わず、


『ご主人様は、私と利害関係が

一致した様ですな。

喜んで頂けると、幸いです。』



『ギャハハハハハ!!もう

何も怖くない!!!完全な自由

だーーー!!!』


『うとましい奴は、全て殺した

からな?サッパリした!』



だが。ここまで人の命を奪い、

たくさんの人の人生をも狂わせ

てしまった奏は、


何も、気づいてなかった。






奏の暴走は、止まらない。


『次!!!ママの恋人を殺せ!!!』


『仰せのままに。』



その時…………。

奏のノドを貫くカマは、奏のノド

をかっ切って、


奏の頭がゴロンと、転がった。







奏は、気がつかなかったが、

奏の母親にとっての恋人とは?




奏自身の事だったのだ。




本物の愛を最後まで分からない

奏自身が、一番の悪かも

知れない。




死神は、ご主人様が消えたので、

天界へと向かって



消えてしまったのであった。






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死神様にお頼み申す!!! たから聖 @08061012

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