監視

カメラの映像が、画面に映っている。


小さな部屋の壁一面に設置されたモニターには、各部屋の映像がほぼリアルタイムで届く。

歳をとったベテラン警備員のあくびが、平和を物語る。


画面を眺めながら、呟く。

「そろそろ交代の時間だ・・・支度しなきゃ」


警備員がもう一人入ってきた。

若く、背の高い男だ。

少し会話をした後、ベテラン警備員は部屋を出た。

若い警備員は椅子に腰掛け、モニターを眺め始める。


画面を眺めながら、呟く。

「よし・・行くか・・」

女は画面の電源を落とすと、

愛をしたためた手紙と、念の為のしめ縄、包丁をバッグに忍ばせ、

モニターを眺める元恋人のもとへ向かう。


警備員の頭上では、1台のカメラが睨みをきかせている。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る