わらしべで長者

少し昔、あるところに、

わらしべ長者に憧れる男がおりました。


その男はわらしべ長者と同じようにとても貧しく、路上生活をおくっておりました。




そんな生活をしている男の住処に、どこからともなく一本のわらが飛んできました。

ヒラヒラと風に舞う藁は、まるで意識があるかのように、男の手の上に着地したのです。



男は何かを感じ、そして決意しました。



そこからの男は、まさにわらしべ長者でした。


藁からおもちゃ、

おもちゃから食べ物、

食べ物から自転車、

自転車からトラック、

トラックから家と土地・・



男は見事、目標であったお金持ちになる事ができました。




男はこう語りました。

「前回よりも着実にスピードが上がってきましたね。

 やはり藁を手に入れる際のエピソードが一番大事なようです。

 この『藁から少しずつ進歩していき、最終的には家まで手に入れる。』という快感は何にも変えられません。

 皆さんがまた忘れた頃、また違う土地で、7回目を実施したいと思います。」




めでたしめでたし。



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る