悪人

男はどう見ても怪しかった。

しかし男の持つボタンは、とてつもなく魅力的だった。


「このボタンを押せば、貴方に100万円差し上げます。

 ただし、この世界の誰かが死にます。

 尚、『誰か』の中には善人は含まれません。

 あくまでも悪人の内の『誰か』が死ぬのです。

 さあ、押してみませんか・・」


誰かが死ぬと言われると躊躇したが、

死ぬのが悪人なら・・

1回ぐらい押してみても・・いい・・かな。


私は意を決してボタンを押した。

その瞬間、ボタンから電流が流れ込んできた。




「あー押しちゃいましたね・・。

 お金が貰えるなら誰かが死んでもいいなんて、

 とんだ悪人ですね・・。」


男は不敵な笑みを浮かべ、次なる悪人のもとへ向かう。

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