宇宙

林花

第1話

22xx年、上昇する地球の気温を止められず地球爆発寸前というときに全人類の70%近くの人間、各々にポッドで地球脱出させたのであった。家族がいるものは家族単位。独身の者は、一人のポッドが与えられた。

「ジョン、そんなにピリピリしないでください。」

ポッドに備え付けられた電光掲示板上の機械が音を発する。

「ピリピリしないでいられるか。」

輪郭を沿うように生えた髭を手で触りながら、中年の男が声を床に叩きつけるように怒鳴った。


その時は突然起きた。いや、実際には予兆は確かにあったのだが、見ないようにしてきたのだ。2、3年前から5℃、10℃ととんでもない速度で地球の温度が上がり始めた。当然、政府は温暖化を食い止めるためにあらゆる政策を打ち出したのだが、彼らには、どうやって得票率をあげることにしか興味がなかったのだ。国同士も他国を批判するだけで一向に自国の政策を進めなかった。結果、地球温暖化の進行を抑えることができず、50℃という地球から脱出することになった。


地球を脱出してから地球時間で3日が経っていた。

ジョンは、服のポケットからくしゃくしゃに潰れたタバコの箱を取り出す。

「くそ」

何もしないままジョンは一本しか入ってなかったタバコの箱をジーンズのポケットにしまった。

ジョンは床を見つめながら、ガタガタと足を揺らしていた。

「さっきから、なんであなたはイライラしているんですか」

「機械には、わからないだろうな」

「私は、人間のあらゆる感情をインストールしています。ご相談いただければ、ジョンの求められている解答が提案できるかと」

はぁというジョンはため息をついて、

「俺はもう寝る」

とコールドスリープの機械に時間を入力して入り込む。

ぴぴっ













  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

宇宙 林花 @rinka17

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る