恋愛成就の神様にお願いした結果

広野ともき

第1話

 一月一日。俺は恋愛成就で有名な神社で、あるお願いをした。


 彼女が欲しいです


 と。

 推薦で大学が決まっていた俺は、同じく推薦で大学が決まっていた友人とノリで、その神社に行ったのだ。周りにいるイチャイチャしているカップルを、少し嫌悪しながら。

 その神社で、俺たちはおみくじを引き、俺は吉、友人は大吉だった。友人がとても喜んでいたのを覚えている。

 俺と友人は「年齢=彼女いない歴」という、普通の男子高校生。逆にそうでないほうがおかしいと俺は思っている。だって、女子と気軽に話せるほうがおかしいでしょ。

 この言い方だと語弊を生むかもしれない。言い直そう。

 

 

 

 俺たちは、これまで女子に話しかけられることが、基本的になかった。話すとしても、事務的な会話のみ。これが当たり前。だろ、これを読んでいる諸君。

 だから、俺たちは神様に願ったのだ。『彼女が欲しいです』って。

 しかし、高校三年の三学期というのは、あっという間に過ぎていく。結局、女子と一切話すことなく、そんなお願いをしたことも忘れて、高校を卒業していた。

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