2011.3.11
「あなたは2007年に死んだから、その4年後に起こった日本の大災害は体験しなかったのね。本当にそれは青天の霹靂という大事件だったわ」ユキナはエイスケに言った。
「そうだね。私はもうこの世にいなかったから知らなかったよ。大変だったみたいだね」
「あれからもう12年経つのね。戦争を知らない私のとっての人生最大の大事件、大災害、ショックだったわ。今年になって原発事故の処理水の海洋放出がスタートしたわ。私たちにとって絶対安全と言われていた原発事故が起きたというショックはなかったわ。家中の空気の通る穴は全部塞いで、放射能が入らないようにしていた頃の気持ちは生涯忘れられないわ」 そうか、あれは12年前だったのだとユキナは再確認するように言った。
「私、あの日の午前中は近所の野菜市で野菜を1週間分たっぷり買って家に帰って、それから北習志野マックに行ったの。丁度新曲の街ソングが完成したのでそれをiPadで聴いていたわ」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます