隣人〜二人の秘密〜(仮)

ハル

第1話 住人

「おはよー」

「あっ!おはよー。沙夜香(さやか)」



私の親友・内木 沙夜香(うちき さやか)。


そして私は、牧屋 和華奈(まきや わかな)。




「ねえねえ、和華奈、今度ショッピング行かない?」

「良いね!OKーー。行く行く」

「良かった!新しい洋服が欲しくてさーー」

「あー、季節の変わり目だからねーー」

「そういう事!」



「和華奈ちゃん、おはよー」

「あっ!おはよー」




クラスメイトの子達が、声をかけてくる。


朝の始まり挨拶は基本中の基本だからね。





「なあ、弘渡(ひろと)。牧屋って可愛いよな?明るいしさー、いっつも元気でさー」


「だったら告っちゃえば?」

「いやいや、無理ッス!」


「だったら、それまで!でもさ、想い伝えないままも後悔するのは、高暮 溜馬(こぐれ りゅうま)君、そのまんまー」




二人は騒ぐ。






そして出かける当日の朝――――



ガチャ


私の部屋の玄関のドアが開く。




「和華奈ーーっ!おはよーーっ!」



大きいアクビをする私。



「もう、のんきだな~。ほら、ほら!準備、準備!」

「はいはい」

「つーか、相変わらずだねー。その格好」

「色気も何もないでしょう?」

「そうだねー」

「だけど、リラックス出来るし楽だよ〜♪」

「はいはい」




プライベートの私。

上下ジャージを身に纏い、眼鏡掛けてダサ女。


彼氏とか好きな人には絶対に見せられない。


でも、今まで突然訪問とか彼氏にされて、この格好を見られて彼氏とサヨナラした。


何度恥を書いた事か……



だけど、この格好は楽だし、どんなにダサくてもリラックス出来る自分がいるから―――



私は準備をし出かけ、同じエレベーターに一人の男の子



ドキッ



《こんなイケメン住人もいたんだ。しかも同じ階って何処の住人だろう?》




そして、エレベーターを降りると別れる私達。




「ねえねえ、今の人、かなりイケてなかった?」

「イケてたね!」

「あれは絶っ対、彼女いるよね?」

「いるでしょう?いない方が疑問だったりして」

「だよねーー」




そして私達の姿を見つめる同じエレベーターに乗っていた人。



「…牧屋…同じ住人だったのか?」




♪♪♪〜


彼の携帯が鳴り響く。




「あっ!わりぃ!今向かってる!」





そして、彼と私の波瀾万丈な日々が始まる。










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