第21話

参観日に老母が行ったことは、小1の姪っ子にとって恥ずかしい経験だったらしい。その後で遠足があり、家から歩いて30分くらいあるJR駅前に朝早く、集合することになった。実母が付きそうしかないのだが、姪っ子は「来なくていい」と断固、拒否して、老母と姪っ子が喧嘩をしていた。

姪っ子にしてみると、遠足は行きたいが、朝の集合時間のときに、他の子たちは若い父母が車で送迎してくれるのに、自分だけ80歳を過ぎた祖母と一緒に行くのがどうしても嫌だという。そんなことを言っても仕方ないでしょ、あれ(弟)はその日は東京で仕事で戻ってくることができないのだからと言っても聞かない。

幼稚園・小学校は毎月、いろんなイベントがあった。遠足とかお泊り付きの冬山スキーとか。そのたびに老母が送迎の約束の場所まで朝早くから連れていかなければいけないのは大変だった。子育てなんて、やはり若い夫婦しかできないのだ。老人に子育てを押し付けると、老人側が体を壊すことになる。だったら叔母の私が朝早くから連れていけばいいのだが、姪っ子はそれも絶対無理だった。

姪っ子は不思議に幼稚園や小学校へは通っていた。不登校にならなかったのは逆に奇跡だった。

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