第17話
弟としては、妻の子に対するDVが酷いので、娘を連れて実家に戻って、実家にいる老母を大いに頼って、娘を育てながら転職して働きたい…というこんたんだったのだが、実家には老母のほかに「子ども部屋おばさん」の私がいたために、その計画は挫けた。
私は、ずっと働いていたし、若いころ東京に住んでいた一時期を除くとずっと実家にいた。私と弟は極端に仲が悪いので、弟が帰省するという予定を母から聞けば、私は行きたくもない旅行に出るのがつねだった。
弟の思い通りにならないことで、弟と姉の私との感情的な溝はより深くなり、どちらかといえば弟よりの母も80歳という年齢のためか、それとも家にやってきた小1の孫の世話の疲れのためか、疲労困憊していた。
その弟がちょくちょく実家に戻ってきては、母とこそこそと相談をしあうようになった。上の娘がこの家にやってきてからは、弟は週末にはこちらに戻ってきて、娘を連れて宮島まで行ったり、出歩いたりしていた。
上の娘が私のことを無視して、小声で「キモイ」と言ってくるのは相変わらずで、いらいらした私と母が口論するのも相変わらずだった。
弟は初めの頃は小1が悪口を言うのをたしなめていた風だったが、この頃は一緒になって言うようになった。
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