読んだこと、ないの?

先日、耳にしたエピソード。

 

小学校の二年生の国語の授業のこと。

単元はたぶん「おはなしをよもう」的なものだったのでしょう。

最初は教科書でみんなで「いなばのしろうさぎ」を読んだようです。

で、国語の授業あるあるのとしてを自分で選んで読んでみよう……とのことで図書室へ。

 

担任の先生は「さあ、みんな。教科書に載っているを読んでみよう」と言ったらしいです。

教科書の該当ページに載っていた本のタイトルは「いっきゅうさん」「さんまいのおふだ」「カムイチカプ」など六冊ほど。

ほぼ神話じゃないし。

 

言われた子どもたちは、まず教科書に載っている本を我さきにと取り合います。

もちろん児童数に対して本が足りるはずがありません。

困った子どもたちは「いっきゅうさん」のすぐそばにあった「ぶんぶくちゃがま」や「かちかちやま」の本を手にとって図書室の先生に聞きました。

「せんせい!このかちかちやまってしんわ?」

「違うよ、それは昔ばなし」

言われた子どもは本を棚に戻します。

 

「いやいやいや。その昔ばなしを読んでいいんだよ?神話の本もあるけれど、教科書に載ってる『さんまいのおふだ』は昔ばなしだし。こういうお話の本を読もうっていうことなんだよ?」

「そうなの?」

素直に本を持ち直す子ども。

 

「いや~。いなばのしろうさぎが教材だったから神話を読ませるんだろうと思って神話と……」と担任。

 

……「カムイチカプ」はまだしも、「いっきゅうさん」を神話と勘違いしたんか~い!と心の中でツッコミを入れたとか入れなかったとか。

 

結局、授業の終わりに「神話」というのはなんだよと子どもたちに話してあげたそうです。

 

先生……ちゃんと本、読んでる?

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