一時帰宅?

微妙にホラー?要素があります。

怖くはないのですが、苦手な方はスルーしてください。

 

 

 二年前のこと。

同居の姑(当時アルツハイマーで施設に入所。その前は小脳の脳梗塞で入院)が、どうも貧血が激しいからというので隣市の大きめの病院を受診。

その結果、大腸に癌が見つかったので内視鏡で手術することにしました。

手術自体は、担当医も経験豊富な方だったので大成功。

手術室からHCUに移って、ベッドの上でうつらうつらしている姿を見て、長居はできないので看護師さんたちに後を託して帰宅しました。

ただ、コロナ禍ゆえに直接は見舞いにも行かれず、病院からの経過報告を聞くのみ。

ちゃんと意識を取り戻し、術後の経過もよさそうなので経口の食事に切り替えられそうです……との連絡を受けました。

その翌日だったか、脳梗塞を起こして意識がないと。

(今は)危篤というわけではないけれど、今後の治療について相談があるとのことで病院に行きました。

要は延命治療をするかどうか?ということ。

さんざん悩んで、医療系の職場に従事する親戚にも相談して、できる限りの治療をしてほしいけれど機械につなぐのは希望しないという結論を出し、担当医に告げました。

結果、願いかなわずだったのですが。

今日か明日かといった状態になった日に病院に呼ばれ、現状を告げられました。

個室を用意してもらい、近しい親戚にも来てもらいました。

夜になり、付き添えるのはひとりだけとのことだったので、相方を残して帰宅しました。

 

 ところで、そのころ私は姑が使っていたベッドに眠っていました。

高齢で足腰も弱っていたので、夜中にトイレへ行く手伝いその他のために同じ部屋に寝起きしていたのですが(私は畳に布団)、入院からの入所のためにベッドはもう使わない。

なので私がそのまま、同じ部屋で使っていたのです。

深夜に呼び出されるか、呼び出されずに朝を迎えるか。

先が見えないままウトウトと眠りについたとき、布団の上に軽く圧力がかかるのを感じました。

布団に何か、あまり重くもないけど小さくもない何かが乗ってくる感覚。

そして翌早朝、相方から電話がかかり『もう、もたないかもしれない』その言葉にかぶるようにピーという電子音。

気のせいと言われればそれまでだけど(姑が旅立つ前に一時帰宅しにきたのかな?)と思いました。

 

 ちなみにそのベッドは、現在同居中の叔母さんが使用しています。

折りたたみ式の簡易ベッドなのに働き物です。

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