料理が違う

 このところ、コロナだなんだで外食から遠ざかってますが(ラーメン食べに行きよるやろ!というツッコミはスルーで)

 

 姑が元気な時は月に一度は『日曜日の昼ご飯は外で』を実行していました。

もちろん、豪華なものを食べに行くわけではありません。

カレーのチェーン店だったり、近所のうどん屋だったり。

知人に美味しいからと教えてもらったラーメン屋だったりと、楽しませてもらっていました。

 

 そんな中に、チェーンではないファミリーレストランが一軒ありました。

テーブル席と座敷席がある店で、庭が庭園風に造ってある雰囲気がいい店でした。

料理も和洋中それなりのメニューが揃っていたし、味も美味しく値段も手ごろ。

結構繁盛していたように思います。

ただ、我が家からは車で片道30分はかかるので、数か月に一度くらいしか行けてませんでした。

それでも『○○(お店の名)に行こうか?』となると全員が賛成する、そんな店でした。

 

 あるとき、同じ流れでその店に行きました。

テーブルに座り4人それぞれ、メニューを見て注文を入れます。

この時に何を頼んだのかは忘れましたが、覚えているのはただ一人相方で『中華どんぶり』を頼みました。

待つことしばし。

料理が届きだします。

温かいうちに、ということで料理が届いた者から食べます。

3人の料理は届き、それぞれ食べ……。

食べ終わっても相方の注文したものが届きません。

もちろん、途中で一回確認してもらってます。

それでも届かないので、再度確認を入れます。

 

 それからしばらくして、やっと料理が届きました。

遅くなったからとの謝罪は特になしでした。

で、しつこいようですが、注文したものは『中華どんぶり』です。

以前にも注文したことがある品です。

ひとくち食べた相方が「食べてみ」とどんぶりを私の方に押しやります。

食べてみたら……『酢豚味の中華どんぶり』でした。

食べ物を粗末にするわけにはいかないからと完食して(酢豚と思って食べれば美味しい味)、会計を済ませて店を出ましたが、心の中では(もう、ここには来ない)と思っていました。

 

 数か月、実際に行かなかったし店の前を通ることもありませんでした。

 

 しばらくして店の前を通ったら、つぶれてました。

残念だな、よりは『だろうね』の気持ちが強かったのは、否めません。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る